江ノ電・江ノ島駅から徒歩5分。かつて江の島詣の人々が行き交った旧参道沿いに佇む、日蓮宗の寺院【常立寺(じょうりゅうじ)】。駅の近くにありながら、境内へ一歩足を踏み入れると街の音が少し遠のき、穏やかな時間が流れます。
境内には、鎌倉時代に元から日本へ渡り、この地で命を落とした使者・杜世忠らを弔う「元使塚」が残され、長い歳月を経た今も片瀬の歴史を静かに伝えています。2月から3月上旬にかけては紅白の枝垂れ梅が見頃を迎え、静謐な境内がふわりと華やぐ季節。江の島へ向かう道すがら、可憐な梅を愛でながら、季節の気配と、この土地が重ねてきた記憶にそっと触れてみて。
▲山門をくぐると、紅白の枝垂れ梅が迎えてくれます。ふわりと梅の甘い香りが漂う中、人々の救済を願う六地蔵が参拝者をそっと見守ります
江の島へ続く道沿いで、百年以上変わらず羊羹をつくり続けてきた老舗【玉屋本店(たまやほんてん)】。名物の「のり羊羹」は、かつて江の島で採れた青のりを白餡に練り込んだもので、ひと口ごとに磯の香りがふわりと広がります。昭和10年に建てられた趣のある店内では、羊羹とお茶をゆっくり味わうことも。島へ向かう前にも、帰り道にも、江の島詣での余韻を持ち帰りたくなる一軒です。
▲明治45年、江ノ電の開通とともに開業したという110年以上の歴史を誇る老舗店。昭和10年に建てられた趣ある建物は、国の登録有形文化財にも登録されています。初代が江の島詣のお土産として考案した羊羹は、昭和24年に神奈川県指定銘菓に。なかでもかつて江の島で採れた青のりを粉にして白餡に練り込んだ「のり羊羹」は、江の島名物として今も受け継がれています
▲カフェスペースでは、女将さんが店内で丁寧に点てた抹茶と、骨董の小皿に盛り付けられた姿も愛らしい「ようかんバターサンド」を。伝統の本煉羊羹のしっとりなめらかな口当たりとコクのある甘みが、香ばしくトーストしたパンとバターの塩気に相性抜群
鎌倉の静かな谷戸に佇む【荏柄天神社(えがらてんじんしゃ)】は、学問の神様として親しまれる菅原道真公を祀る古社。福岡の太宰府天満宮、京都の北野天満宮とともに「三古天神社」のひとつに数えられ、受験や進学、就職などの願いを胸に多くの参拝者が訪れます。冬の境内を彩るのは、樹齢900年ともいわれる御神木の大銀杏と、早春を告げる紅白の梅。季節が静かに移ろう古都の風景とともに、新しい一年への願いを託して。
▲受験シーズンに限らず、進学や就職をはじめ各種試験の合格祈願に多くの人が訪れます
▲国指定史跡の境内では、早春に紅白の梅が咲き、12月には樹齢900年といわれる御神木の「大銀杏」が黄金色に黄葉します
散策で歩き疲れたら、季節の花々を浮かべた足湯に素足を浸してひと休み。京都・嵐山で生まれた【嵐湯 鎌倉別邸(あらしゆ かまくらべってい)】は、足湯とフットマッサージを通して、日本の四季や文化、おもてなしを五感で楽しめる体験型の足湯カフェです。縁側に腰を下ろし、美しい花々が浮かぶ木桶に足を入れた瞬間、じんわり広がる温もりに歩き疲れた身体も心もゆるゆるとほどけていくよう。
▲鎌倉の空の移ろいを表現した、鎌倉別邸限定の足湯「鎌倉ブルー」。紫陽花を中心とした季節の花々を浮かべた木桶は、眺めているだけでもうっとり
▲フットマッサージを受ける空間は、床、壁、天井に職人の手仕事による楮和紙(こうぞ)を使用。和紙に包まれた空間に身体を預ければ、心地よいまどろみへと誘われます
▲足湯に浸かりながらドリンクやお菓子をいただく、なんとも贅沢なひととき。おすすめは、バタフライピーのブルーがレモンの酸で紫色に変化する、鎌倉の海と空をイメージした嵐湯モクテル「鎌倉ブルーソーダ」
冬の江の島を光で包み、昼とはまったく違う表情を見せるイルミネーションイベント「湘南の宝石」。江の島シーキャンドルから広がる光のカーテンや、宝石のようにきらめくガーデンを歩けば、冷たい海風さえ夜の演出のひとつに。夕暮れから少しずつ灯りが際立ち、空と海が夜の色へと変わっていく時間も格別です。冬だからこそ出会える、光に包まれた江の島をゆっくり歩いて。
▲2026年12月1日〜2027年2月28日まで開催される、江の島・片瀬海岸エリアを一体とした全国にファンを持つウインターイベント「湘南の宝石」。この冬も、湘南の夜景と自然がひとつになった透明感あふれる宝石のような煌めきを体感できます
新江ノ島水族館の目の前に、千葉県一宮の人気店GMCの系列店として2026年6月にオープンした【BUTCHER NO GINGER(ブッチャー ノージンジャー)】。店主・二瓶さんがこだわるのは、鹿児島「南州農場」で大切に育てられるさつま黒豚。その旨さをまっすぐ届けたいと、看板メニューの「GMC薩摩黒豚ハンバーグ」は、ふっくらジューシーでありながら、きめ細やかな口当たりと軽やかな後味に仕上げます。
▲ナイフを入れれば、ふっくらとした美しい断面がお目見え。一口頬張ると、舌にすっと馴染むようなきめ細やかさと、黒豚の甘みを含んだ肉汁がじんわり。しっかりと満足感がありながら、ご飯が進む軽やかさも魅力です
▲生ハム、サラミ、自家製リエット、豚バラ肉をバジルで巻き、スチームで柔らかく仕立てたポルケッタが豪華に並ぶ「シャルキュトリー盛り合わせ」。ビールやサワー、ワイン、ハイボール、焼酎、カクテルなど、豊富なお酒とともに味わいたい一品
▲大きな窓から光が差し込む開放的な店内。江の島と新江ノ島水族館を目の前に望む海辺らしいロケーション。通し営業なので散策途中のランチからディナーまで気軽に立ち寄れます。店内はドッグフレンドリーで、愛犬との食事もOK