旅の最初の目的地は、旅情あふれる江の島です!福徳財宝の神として信仰を集めた弁財天さまを祀る江島神社にお参りして、季節のお花や南国的な緑も多い江の島サムエル・コッキング苑でのんびりリラックス。さらに足を延ばして稲村ガ崎・長谷方面へ。スリランカカレーの美味しいお店、身体と家具を再生するユニークなお店へとご案内いたします。ご自身を癒す旅へお出かけください。
江の島への最寄り駅、小田急線片瀬江ノ島駅の副駅名は「新江ノ島水族館 最寄駅」。駅に到着した時からワクワクするような楽しい駅舎です。
今回のコースで紹介する「江の島サムエル・コッキング苑」に行くなら、「江の島エスカー」や「江の島シーキャンドル」の利用料と小田急線の往復割引きっぷがセットになった「江の島シーキャンドルセット券(小田急乗車券付)」が便利でお得です。
目的地や周遊予定に合わせて小田急のお得なキップをぜひご利用ください。
ホームに降りたったら、まずは深くゆっくりと潮風香る空気を吸い込んでみてください。身体もきっと喜ぶに違いありません。江ノ電江ノ島駅からはすばな通りを抜け江の島方面へ。小田急線片瀬江ノ島駅からは境川を渡り「江の島弁天橋」を歩きます。だんだんと近づく江の島に気分も盛り上がります。
1891年(明治24年)に桟橋が掛けられ、その後 数度架け替えられた後、「東京オリンピック1964」に向け1958年に完成したのが現在の江の島弁天橋。橋が架けられる以前は干潮時に歩いて渡っていたそう。遥か昔から、歴史的超有名人から市井の人まで多くの人々が海を渡り訪れていたのが江の島です。浮世絵にも沢山描かれたこの島は、時代を経ても不思議と私たちを惹きつけます。
参道、仲見世通りには老舗の旅館や飲食店、土産物店が立ち並んで終日賑わっています。その通りを抜けた正面にあるのが、鮮やかな朱色が映える大きな鳥居と白い壁が美しい楼門。江島神社の入口です。
1936年(昭和11年)に再建された鳥居の柱に書かれていた寄贈者のお名前が気になり調べてみると山田流筝曲(そうきょく)の家元、林敏子さんとのこと。第二次世界大戦がはじまる直前、筝曲という雅な音楽、古典芸能の家元の女性が弁財天を祀る江島神社に大きな鳥居を寄進されたということに、平和あってこその芸能という切なる願い、メッセージがあるように感じました。
このまま階段を登ると江島神社の最初のお社、辺津宮(へつみや)ですが、今回は2022年11月にリニューアルされた江の島エスカーに乗ってみましょう。
江島神社 辺津宮までの1区が「江の島 LUMINOUS WAY」としてリニューアルオープンしました。江の島エスカーは1959年(昭和34年)に日本初の屋外エスカレーターとして開業し、江の島観光に訪れる観光客、参拝客の移動を支えてきました。現在は計3区間(4連)の合計は長さ106m、高低差46mをトータル5分ほどで登ることができますので、お子様と一緒の場合や、さっと移動されたい方にも利用されています。
江の島エスカーはこの1区のほか2区、3区とあります。各エスカー乗り場で都度利用料を支払うこともできますが、小田急線や江の島シーキャンドル(灯台)とセットになったお得なチケットも。江島神社への参拝、江の島サムエル・コッキング苑、江の島シーキャンドル、岩屋方面への登りの移動手段として江の島エスカーをご利用ください。
鎌倉時代を舞台として描かれた先の大河ドラマでは愛嬌のある人柄として描かれた「北条時政」。一族の子孫繁栄を願う時政は、島の洞窟に参籠し祈願を続けたところ弁財天さまが現れ、時政の願いを叶えると約束してくださったそう。直後、弁財天さまは大蛇となり海へ。その時、大蛇の3枚の鱗が残り、時政はこの鱗を組み合わせた意匠を家紋とした、と言われています。女神に願い、叶えると約束されるお人柄、さらにはその証を家紋として長く遺すところが、流石ですね。
弁財天さまはもともとインドの水の神に由来し、海の神、そして音楽などの芸能の神、さらには福徳財宝の神として広く信仰を集めてきました。現在も七福神の一つとして人々に親しまれています。この江島神社は近江琵琶湖に浮かぶ竹生島と安芸の宮島と並び日本三大弁財天の一つに数えられています。水の神様ゆえ、いずれも島に鎮座されていらっしゃるのですね。
奉安殿に入ると足元の御影石に八方位の印があることに気が付きます。その中央にたち、ゆっくりと2つの弁財天さまを拝むと気持ちが落ち着いてくるから不思議です。「八臂弁財天」さまは、その名のとおり8本の腕があり、それぞれに宝剣や宝弓などが握られています。源頼朝が鎌倉幕府を開いた際に文覚上人に命じ、弁財天様を勧請したと言われています。
もう一体の「裸弁財天・妙音弁財天」さまは、色は白く、手には琵琶。優しく穏やかなお顔が印象的です。音楽、芸能の神様を体現したようなお姿です。
そう、ここ弁財天さまを祀る江島神社は、鎌倉時代には武将や僧侶たちが祈願する聖なる場所であり、徳川家康も征夷大将軍になる前に祈祷で参詣されました。歴史上の有名武将たちがこの江の島で祈りをささげていたとは!この流れは庶民にも波及し、江戸時代に江の島詣は大流行に。江の島詣の目的となる弁財天さまに芸ごとの上達を願う人々で溢れたと言われています。朱の鳥居を古典芸能筝曲の家元の方が寄贈されたということも納得ですね。
源頼朝から庶民まで、鎌倉時代から多くの人々の願いを聞き続ける弁財天さま。現在も芸能に関わる方々が多く訪れているそうです。芸の上達祈願や福徳円満の祈念だけでなく、優しさと強さをあわせもつ弁財天さまの癒しを体験しに、ぜひ足をお運びください。
2022年11月にリニューアルオープンした江の島サムエル・コッキング苑。サムエル・コッキング温室遺構展示体験棟やUMIYAMA GALLERYなど新しい施設がオープンし、緑あふれる居心地の良い空間がさらに進化しています。さらに2023年4月より、夜間イベントがない期間は朝9時から20時まで終日入苑無料となりました!(夜間イベント開催期間中は、17時以降の出場には大人500円、こども250円の料金が必要です)江の島の最上部に総面積1万平米を超える敷地に遺るボタニカルガーデン、手入れの行き届いた自然豊かな庭園に気軽にアクセスできるのは嬉しいですね。
その江の島サムエル・コッキング苑の開苑に合わせ2003年にオープンした日本初のフレンチトースト専門店「LONCAFE 湘南江の島本店」にて評判のフレンチトーストをいただきましょう。
湘南江の島本店では常時10種類のフレンチトーストのメニューが用意されており、目移りして選ぶのも迷うほど。一部の季節限定メニューは定期的に入れ替わるそうですが、不動の一番人気は「濃厚クリームブリュレ」とのこと。「まさにお店の看板メニューであり、ロングセラーです」と金子店長。
LONCAFEのフレンチトーストはバゲットを使っているのが特徴的です。気泡の少ない密度の高いバゲットを厚めにカットし、特製の漬け液(アパレイユ)に5分ほど浸してから、1枚1枚焼き上げて提供されているとのこと。
外はカリッ、中はふわっとろっというLONCAFE独自の食感に「フレンチトースト=柔らかい」という固定概念をいとも簡単に覆されてしまいました。この食感と風味はクセになります。
甘いけれど甘すぎず、軽いのにしっかりとした食べ応えが嬉しい専門店のフレンチトースト。開店と同時にお客さんがどんどん入店されてきます。性別も世代も、そして国籍も問わず多くのお客さんに支持されているんですね。絶品のフレンチトーストを目的に、海を渡って江の島の頂上まで、ぜひお出かけください。
国宝の鎌倉大仏や花寺としても有名な長谷寺など、見所の多い長谷駅周辺は鎌倉を代表する人気観光エリアです。しかも駅から海岸までは徒歩約5分。漁師町的な路地が入り組むノスタルジックな雰囲気が漂う街並みもあり、散策にもお勧めです。
江の島から移動し、長谷での散歩を楽しんだらお昼ご飯をいただきましょう。2022年12月にオープンした「Light House」は、スリランカ出身のシェフが腕を振るう本格的なスリランカカレーの専門店。インド・スリランカ発祥のアーユルヴェーダ(伝統医療)にも配慮した料理が味わえる人気店です。
海岸まで徒歩1分という立地もあり、潮の香りや潮騒も聞こえてくる店頭とは打って変わり、店内は高い天井と白い壁の明るい空間が広がっています。アンティーク調のテーブルとチェアで統一されたインテリアもどことなく異国情緒を感じます。お一人での来店の方も多いそうですが、複数人での会話を楽しみながらの食事にもぴったりですね。
スリランカに根付く伝統医療アーユルヴェーダにも配慮したスリランカカレーの専門店として、スパイスやハーブの選定、甘味料などの調味料も厳選して料理を作っているそう。
食事メニューは「スリランカカレープレート(チキンまたはフィッシュ)」「スペシャルスリランカプレート2種盛り(チキンとフィッシュ)」「ベジタリアンカレー」「お子様カレー」のみ。一番人気の「スペシャルスリランカプレート2種盛り(チキンとフィッシュ)」をいただきます。
パスマティライスを中心に、手前から時計回りにダル(豆)カレー、チキンカレー、野菜カレー(瓜)、フィッシュカレー(イナダ)、ココナッツサンボル、キュウリとトマトのサラダ、人参のサラダが盛り付けられています。
パスマティライスの上にはカトゥレット(サバのコロッケ)と、パパダン(豆の揚げせんべい)も。魚や野菜は旬の素材を使っているそうで、日によって異なるそうです。
「スペシャルスリランカプレート2種盛り」は、チキンとフィッシュ以外にもダルカレーや野菜のカレーも盛り付けられ、ちょっと得した気分。それぞれのカレーの辛さは抑えられているので、辛さが苦手だけれど、美味しいカレーが食べたいという方にもお勧めです。
「混ぜながらお召し上がりください」と、流暢な日本語で話すアセラさん。手前のダルカレーを中心に具材やライスを混ぜ合わせながらいただくのが一般的な食べ方とのこと。彼の地ではふりかけ的存在というココナッツサンボル(ポル サンボル)は、ココナッツフレークに唐辛子やスパイスを効かせて作られたもの。これを混ぜると一気に辛さが増しますので、好みの辛さで調整しながらいただくことができます。
フィッシュカレーに使う魚は、主に佐島の漁港から仕入れ、野菜の多くは三浦半島産が多いとのこと。地元の食材を用いて、スリランカカレーの特徴の一つでもあるモルディブフィッシュ(マグロなどの魚を燻製乾燥させたもの)を使うことで、ほのかな魚系の出汁が香り、スパイスやハーブとの一体となったカレーは、パスマティライスとの相性も抜群です。
風味や香りはすれど、スパイスの姿はほとんど見えず、舌に残るようなこともありません。調理にあまり油を使わないそうで、ボリュームのあるワンプレートながら、もたれることなく、後味もさっぱりなのが嬉しいです。
カレー以外に、デザートやセイロン紅茶なども用意されており、カレー以外にもスリランカの食文化を楽しむことができます。
水牛の飼育が盛んなスリランカでは、水牛の牛乳から作られるヨーグルト「キリハッティ」がよく食べられているそう。そのヨーグルトにキトゥルパニ(孔雀椰子の花蜜を煮詰めたシロップ)という花蜜をたっぷり注いだ「キリパニ」は国民的デザートとして、家でもお店でも、子どもから大人まで大好きな甘味とのこと。
Light Houseのキリパニは、国産のヨーグルトを使っていますが、キトゥルパニがたっぷり。ヨーグルトと花蜜の自然な甘さと酸味のバランスが絶妙で、本場の味を楽しむことができます。
オリジナルブレンドのスパイスを使ったチャイにも、このキトゥルパニをたっぷりと入れているそう。自然な甘さで、後味もすっきり。優しい味わいのチャイ、癖になる美味しさでした。
11時半から16時までの営業とのことで、少し遅めの時間帯のランチにもぴったりですが、ランチのピーク時には行列となったり、早めに売切れて閉店する日もあるそうです。「今日はLight Houseのスリランカカレーが食べたい!」という方は、お早めの入店が良さそうです。
湘南エリアでも珍しいアーユルヴェーダ式の本格的なスリランカカレーを提供している希少なお店、長谷のLight Hoseへ、ぜひお出かけください。
長谷駅から稲村ヶ崎駅まではふた駅、4分ほど。長谷でスリランカカレーをいただいた後に訪れたいのは稲村ガ崎の「kaina(カイナ)」。土日祝日はカフェ・バーとして、平日は家具のリペアと整体やパーソナルジムを組み合わせたボディーケアのサービスを提供されているユニークなお店です。
店名「kaina(かいな)」は、腕(うで)のやや古風な言い方。異なる仕事をされるお二人ですが、それぞれ腕が命である職人として、本物のサービスを提供し続けてゆこうと、腕という意味のkainaを店名に掲げられたそうです。
大学卒業後、家具職人を目指し長野の専門学校へ。その後、就職した工房で家具作りと販売の両方の大切さを学びながら将来はオーダーメイドの家具職人を夢見ていた吉岡さん。
家具工房を経て、欧州の2つの有名家具ブランドにて品質管理を担うポジションへ転職。「人生で一番働きたいと思っていたブランドで経験を積むことができました。100年遺るような名作と呼ばれる製品を作り続けていて、その形・デザインに意味があるということがよく分りました。」
「そのような完成された家具に触れることで、(当初の夢であった)自分の家具を作ることよりも、愛着のある家具を長く使い続けてもらうように修理し、再生する職人として家具と関わろうと思うようになり、kainaを始めることにしました。」
スポーツに明け暮れていた学生時代、駆使した身体のメンテナンスのため整体に通っていたという吉川さん。その先生の施術に感銘を受けたのがきっかけとなり、整体やマッサージなどに興味を持つことに。柔道整復師を取得し、治療家として整骨院や病院内のリハビリ担当としてキャリアをスタートされたそう。
「病院では毎日50人くらいの方に施術をしていましたが、一人あたりで考えると10分ほど。まるで流れ作業のような関わり方でした。身体に不調を抱える人々の役にもっと立ちたいと考え、勉強と経験を重ねて独立しました。このkainaでは、カウンセリングを重視して、クライアントごとにオーダーメイドのケアを提供しています。」
土日祝日のカフェ・バー営業時にはお茶やワインを楽しみに来店されるご近所さんやリピーターのお客さま以外に、家具や身体についての相談を兼ねて来店される方も多いそう。お二人ともにお客さんの話をじっくり聞いて、オーダーメイドなケアを提案してくださるので、評判が口コミで広がっているようです。
カフェ・バーの営業日時についてはSNSをご確認の上、ご来店ください。お身体のケアや家具リペアにつきましてはkainaホームページからお問い合わせください。
「江の島・鎌倉フリーパス」は小田急線各駅からの往復割引きっぷがついた、小田急線藤沢駅~片瀬江ノ島駅間と江ノ電全線が乗り降り自由になるお得な乗車券です。今回は江の島観光がお得になる「江の島シーキャンドルセット券(小田急乗車券付)」を利用しました。
新宿駅発着の「江の島・鎌倉フリーパス」は1,640円。同じく新宿駅発着の「江の島シーキャンドルセット券(小田急乗車券付)」は1690円。差額はわずか50円ながら、江の島シーキャンドル(500円)、江の島エスカー(360円)の料金が含まれています!
以下は、今回のルートのおさらいです。
小田急新宿駅→小田急片瀬江ノ島駅→江島神社→LONCAFE→江ノ電江ノ島駅→長谷駅→Light House→長谷駅→稲村ヶ崎駅→kaina→極楽寺駅→江ノ島駅→小田急片瀬江ノ島駅→小田急新宿駅。
通常の運賃(IC)と江の島エスカーの利用額と比較した場合、「江の島シーキャンドルセット券(小田急乗車券付)」を使うことで、648円もお得になります。
2022年3月12日(土)からの小児IC運賃が全区間一律50円になったことに伴い、江の島・鎌倉フリーパスのこども料金が410円~430円になりました。「江の島シーキャンドルセット券(小田急乗車券付)」のこども料金は一律450円です。お子さまと一緒のお出かけにも、ぜひご利用ください。
取材 ALOHAS
※価格はすべて税込みです。
※掲載情報は取材日時点(2023年3月、2024年8月)のものです。