江の島への最寄り駅、小田急線片瀬江ノ島駅の副駅名は「新江ノ島水族館 最寄駅」。駅に到着した時からワクワクするような楽しい駅舎です。今回のデートコースでもご紹介する「新江ノ島水族館」へおでかけする際は、小田急線の往割引きっぷと「新江ノ島水族館」の入場券がセットになった「えのすい小田急セット券」が便利でお得。片瀬江ノ島駅構内には、新江ノ島水族館の水槽が設置されており、デート気分を盛り上げてくれます♪
今回ご紹介するデートコースのように、江の島を1日たっぷり満喫したい!という方には、江の島エリアの人気施設「江の島シーキャンドル」と「江の島エスカー」のご利用券がセットになった「江の島シーキャンドルセット券」を「えのすい小田急セット券」と組み合わせて使用するのもおすすめです。楽しみ方に合わせたチケットを選んで、江の島をお得に満喫しましょう♪
晴れた冬の朝は空気も澄んで湘南ブルーの空が迎えてくれます。朝ごはんをしっかり食べて楽しい1日をスタートしましょう。境川の河口、片瀬橋のたもとにあるのが2005年開店の「江ノ島小屋」。朝8時から朝食をいただける和食のお店です。
客席は店内とテラスの両方あります。平日でも開店と同時に続々とお客さんが来店し席が埋まってゆきます。10時半まで注文できる朝限定の定食2品以外にも2014年の第一回から連続9回、2022年も全国丼グランプリ「海鮮丼」部門金賞を受賞している名物「まかない丼」も朝からオーダーできるのは嬉しいですね。
朝限定メニューの一つ「金目鯛の煮汁 卵かけごはん」。高級魚キンメの煮付けの美味しさはご存知の通り。その煮汁さえも最後まで味わいつくしたいという魚好きの気持ちをくすぐる一品です。朝ごはんの代名詞ともいえるTKGに「金目鯛の煮汁をかける」卵かけごはんとは、期待が高まります。
炊き立てツヤツヤ、埼玉県産農薬不使用栽培のお米。中央上は福岡県糸島産のブランド卵「つまんでご卵」。右上の椀には金目鯛の切り身と一緒にたっぷりの煮汁。そしてだし汁(右下)。ご飯の量はたっぷりです。
炊き立て熱々の白飯をいろいろな味で楽しむことができるように工夫されているのが分かります。まずは純粋に卵がけご飯として、甘塩っぱくコクのある金目鯛の煮汁と合わせてひと口。ほろほろのキンメの身や鰹節と一緒にもうひと口。いわゆる生卵と醤油だけの卵かけご飯とは異なる味わい深さに軽く興奮を覚えてしまう人もいるかも知れません。金目鯛の煮汁の実力に感服です。
せっかく湘南、江の島まで出かけるのであれば、新鮮な海鮮を食べたいもの。江ノ島小屋一番人気という「まかない丼」もオーダーしましょう。運ばれてきたのは立派な板海苔に覆われた丼。約20センチ四方の焼き海苔をめくると江の島を彷彿とさせる小高い山が現れました。こんもりと盛られているのはブリやハガツオなど日替わり3-4種の魚で作ったナメロウ。サイコロ状にカットされ、神奈川産のお味噌と秘伝のゴマダレで和えられているそうです。鮮やかな錦糸卵とたっぷりのイクラも食欲を刺激します。
ひと口ほおばると、魚の旨味、味噌の香とゴマのコク、ほのかな甘さも感じます。ナメロウとはいえ、つぶすほど叩いていないから刺身の食感が残り、薬味のネギや胡瓜と一緒にご飯がすすみます。海苔を手切りして手巻き寿司風に食べてもよし。〆にはだし汁のスープを丼に入れて、サラサラっと茶漬けとして味わうことも。一杯の丼でいろんな味わいが楽しめる、これは贅沢なまなかい丼です。
お店の方に聞くと「江ノ島小屋の料理はハイスペックな漁師めし」をコンセプトに掲げていらっしゃるとのこと。片瀬漁港そばのこの地で、漁師さんたちが仕事の合間に食べてきた「漁師めし」をベースに、素材や調理法を洗練させ、ハイスぺな漁師めしに昇華させて提供しているそうです。朝8時~夜まで通しで営業されていますが、まかない丼を含め一部メニューは営業途中で売切れてしまうこともあるとか。
テラス席で海風を感じながら食べる非日常感あふれる朝食。美味しい地の物を食べてとびきりのデートをスタートさせましょう!
朝ごはんでお腹を満たした後は、新江ノ島水族館へ。江ノ島小屋からも歩いてすぐです。
えのすいで開催中の冬季イベント「Jewerium(ジュエリウム)」。宝石“Jewel”と水族館“Aquarium”を組み合わせたえのすい独自の合成語で、宝石がもつ“透明感”、“色彩”、“輝き” をテーマに海の中で“輝き”を放つ生き物たちを組み合わせ、さまざまな演出を通して多様で色彩豊かな生物の魅力を伝えてくれるそうです。2024年2月末までの期間限定企画です。(詳細はこちらでチェック!)
魚や海の生き物に詳しくなくてもしっかり楽しめるのがえのすいです。
「エデュテインメント型水族館」を掲げる新江ノ島水族館では、館内を巡るだけで新しい発見と楽しさに出会えます。それらに出会う秘訣は、マイペースで館内を巡り、興味を引く水槽の前では生き物をじっくりと観察すること。
色、形、動き方。個なのか群なのか。静かに見ていると一層の興味や愛着も沸いてくるから不思議です。その発見をお互いシェアしたら、きっと会話も弾みます。生物の名称や説明は水槽の周りに掲示されていますので、写真を撮っておけば後から調べることもできますね。
お子さんたちにも見やすいように低い位置に小さな水槽が並ぶ「相模湾キッズ水槽」に気になる生き物を見つけました。誰もが知っている「ハリセンボン」。でも間近に観察する機会はあまりありませんよね。このハリセンボン、漁師さんからいただいたそうです。じっくり観察すると名前の由来通り、体にうろこが変化した針のようなとげがしっかり確認できます。実際はこのとげは300~400本ほどなんだとか。そして目がこんなにきれいなブルーなんですね。愛嬌のあるこの顔!思わず萌えてしまいます。
1954年、旧江の島水族館時代にクラゲの飼育展示を開始された歴史があります。以来70年弱、扱うクラゲの種類も増え、現在は常時40種類以上を展示されているそう。実はクラゲの生態については未解明な部分も多いそうで、展示だけでなく研究やデータ蓄積にも取り組んでいるとか。クラゲ類の見た目の美しさやかわいらしさを見て楽しむだけでなく、長年の研究やデータを基にアカデミックな視点の展示から、見るものに学びや驚きを与えてくれるのもえのすいの特徴ですね。
クラゲサイエンスにある小さな水槽を覗くとわずか1センチ程度の小さなクラゲが漂っています。透けて見える内側の消化器官が紅いためベニクラゲと言われているそう。水槽下には「若返りを繰り返し常に命を輝かせます」と掲示されていました。カワイイ見た目から興味を持ったら、何と不老のクラゲだったとは!いいなあ。
南の海に生息する大型のサメ。尾びれをゆらゆら動かす程度で身体をほとんど動かさず水槽の底で寝そべっているのはヒョウ柄のトラフザメ。見た目の怖さからはかけ離れただらりと過ごす姿も新しい発見です。夜行性のサメは、日中はこうしてじっとしていることが多いそうです。気になる魚や生き物を見つけたら、少し立ち止まってゆっくりと見るだけで興味の世界が広がるから不思議です。人がいなくなった夜のえのすいでトラフザメはどのように泳ぐのでしょうか。
2月末まで開催されている「Jewerium(ジュエリウム)」限定の展示はもちろん、えのすい独自のシラスサイエンスをはじめ相模湾の海の自然を再現した常設の展示物、有人潜水調査船 JAMSTEC(国立研究開発法人海洋研究開発機構)の「しんかい2000」の実物展示など1度では周りきれないほど充実した内容のえのすい。
思わず立ち止まって観察した魚や生物の名前を覚え、推しの魚や生物、推しクラゲにしてください。デートで再びえのすいを訪れたら「推しギョ」「推しクラ」の成長した姿を定点観測するのが水族館を楽しむもう一つの秘訣です。
えのすい館内をたっぷりと歩きまわったら、もうお腹が空くころです。美味しいお昼ごはんをいただきましょう。江ノ島駅から路面を走る江ノ電にゆられ わずか一駅、腰越駅で下車して徒歩3分。海の香り漂う腰越の路地にロイヤルピンク色の外壁が目印の「小籠包 千」はあります。2019年10月の開店で、本格的な点心、小籠包をはじめ優しい味付けの中華が美味しいと評判のお店です。
お店を切り盛りする野中さんご夫婦。世田谷区奥沢で6年間お店を続け、ご主人の地元である鎌倉でお店をやりたいと2019年に腰越へ。
ご主人は元サラリーマン。海外勤務で上海へ赴くこととなり奥様も上海で生活されていたそう。その間、現地の中華料理教室に通い腕を磨き中国の国家資格である点心師を取得。上海料理の有名店にも通いながら現地の味を覚え帰国。主に調理を担当する奥様は帰国後も点心、飲茶などを提供する飲食店で働き、念願のお店をご夫婦で始められたそうです。
いろいろな点心が楽しめると、特に女性に人気なのが飲茶セット。写真の飲茶Bセットは看板メニューの小籠包3つと水餃子、ワンタン、焼売、おこわ(白・黒)、あんまん(肉まんも選べます)が蒸籠に入って提供されます。さらにスープ、デザートとポットの烏龍茶も。烏龍茶は茶葉が選べるそうですが、希少で人気の高いという福建省産「大紅包(ダイコウボウ)」をお願いしました。
「お母さんの作る優しい味の料理です」と仰るとおり、一つ一つの素材や生地そのものの風味を楽しむことができます。あんまんに入っていた濃厚なゴマ餡も手作りとのこと。見た目もボリュームも大満足のセットです。
「上海焼きそばランチセット」にも小籠包3つとスープ、カップの烏龍茶付。ほんのりと甘さを感じる上海焼きそば。プリプリのエビと青菜と一緒にほおばる中太の焼きそば麺は食べ応えあり。男女・世代問わず人気というのも頷けます。
餡はもちろん生地から手作りだという小籠包。テーブルに運ばれたら湯気立つ蒸籠からお口へ直行させるのが最適解。お好みで生姜と酢醤油と合わせてどうぞ。具材は肉と調味料だけという餡からにじみ出る熱く旨味たっぷりのスープが広がります。小籠包は各種ランチセットにも付いていますが、小籠包単品でのオーダーもできます。小籠包をつまみに昼からビールも良いですね。
土日祝日は11時から20時(L.O.19時)までの通し営業。平日は11時から14時までのランチ営業と17時~20時(L.O.19時)の営業です。店内飲食はもちろん持帰り、テイクアウトにも対応されています。
点心ランチでお腹を満たしたあとは、いよいよ江の島へ。TOKYO2020のセーリング会場として選手や関係者らが世界中から集まり、熱い競技が繰り広げられた「江の島ヨットハーバー」。1964年の前東京オリンピック大会での開設以来、日本のヨット、セーリング文化を代表する施設です。2015年にリニューアルされた江の島ヨットハウス、海面、波を模したユニークな屋根の真っ白い建物の中に入ってみましょう。
実はこちらの江の島ヨットハウスはヨット関係者でなくても一般の方も利用、入場することができます。天井も高くガラスが多用され採光もたっぷり。気持ちのよい空間が広がっています。
広いテラスエリアからは並ぶ艇を間近に見ることができます。セーリングを体験したくなったら、江の島ヨットハウス向かいにある小田急ヨットクラブを訪ねましょう!
ハーバーエリアは関係者以外立ち入り禁止ですが、写真右端に見える白い灯台まで防波堤上に遊歩道があります。歩いてゆくことができますので、ぜひ足をのばしてみてください。海をより近くで感じることができる絶好のスポットです。
江島神社の辺津宮、中津宮を巡りながら目指すは江の島シーキャンドルのある「江の島サムエル・コッキング苑」。現在、17時までは無料で入苑できます。(17時以降に出場する際は料金がかかります。)昨年完成したばかりの「サムエル・コッキング温室遺構」を訪ねてみましょう。
屋根も壁面もそして床面も総ガラス張りというユニークな建物が「温室遺構展示体験棟」。精油のよい香りが漂う建物内部にはサムエル・コッキング氏の紹介や当時の江の島や植物園の様子をパネルやビデオで見ることができます。
展示物を通し往時の江の島の様子やコッキング氏の事業家としての顔、この地との縁などを知ることができます。温室遺構展示体験棟のガラス張りの床下に広がるのが、当時から遺るレンガ作りの温室跡。実際にその内部に入ることができるそう。ぜひ入ってみましょう!
アイルランド出身の貿易商コッキング氏は激動の明治元年に訪日し、その後日本と外国の交易で財をなした人。日本人女性宮田リキさんと結ばれ、別荘と植物園をつくったのがこの場所、江の島ということです。当時は江ノ電も開通前。ましてや江の島弁天橋も無かった時代。異国からやってきたコッキング氏は、手つかずの江の島の魅力に惚れ込んだのでしょうね。
広い苑内は温室遺構以外にもさまざまな植生を見ることができるボタニカルガーデンとなっています。冬季はいろんな種類のチューリップがカラフルに咲き、春先にかけては椿も見ごろを迎えます。天候の良い日は冬場でも温暖ですので、ゆっくりと散策をして楽しむことができます。
江の島サムエル・コッキング苑を満喫した後は、美味しいお菓子とお茶をいただきましょう。奥津宮・龍宮の手前、美味しそうな香りに引き込まれ、入ったお店はまるで都内の洗練されたカフェのよう。1階は店内席とテラス席、2階にはカウンター席が設けられています。
2019年夏に開店したお店で、実は中目黒に本店を構える人気店のパンとお菓子のお店「TRASPARENTE(トラスパレンテ)」の系列店とのこと(鵠沼海岸駅近くの「Quinto」も姉妹店)。
江の島の最上部でこの空間と本格的なパンやスイーツが楽しめるのは嬉しいですね。
溶けるように柔らかな食感、けれど口内で持続する濃厚なマスカルポーネチーズ。後から広がるコーヒーシロップたっぷり、ビターな味わいのスポンジの食感。このバランスにしばし悶絶。イタリアで修行された森直史オーナーシェフの手がけたティラミスを江の島で味わえるなんて!
甘すぎない絶妙な加減でコンポートされた果肉とそれを支えるアーモンドダマンドのバランスが絶妙な洋梨タルトも奥深さを感じさせる一品。タルト生地まで上品で紅茶にもコーヒーにも合いますね。
ケーキは定番、季節限定を含め毎日に7-10種類から選べるそう。ほかにも店内で作るパニーニ(単品)やサンドイッチのランチセットなどもあり、お菓子や飲み物だけでなくランチや軽食をいただけるのも嬉しいですね。
再び江の島サムエル・コッキング苑に戻り、江の島シーキャンドル(灯台)へ。17時から一斉に点灯される「湘南の宝石」が始まる前、夕暮れ前に灯台に登りましょう。(1月6日以降は17時30分点灯)。
空が茜色に染まる夕暮れ直前や「湘南の宝石」点灯時間前後は灯台上部へ登るエレベーターが混みあうそうです。早めに登って夕暮れ時間、刻一刻と変化する空と海の様子を楽しむことをオススメします。
暗い苑内に10秒のカウントダウンのアナウンスが響き渡ります。苑内各地のイルミネーション、ライトアップが一斉に点灯され「湘南の宝石」がスタート。キラキラと輝く屋外空間にあちこちから歓声やため息が聞こえてきます。光と色に彩られた夜の江の島サムエル・コッキング苑を巡りましょう。
夜景観光士6102人が選んだ全国イルミネーションランキング(プロフェッショナルパフォーマンス部門)、2022年度第1位受賞、関東三大イルミネーションに認定されている「湘南の宝石」は、気持ちも華やぎ、デートの締めくくりにもぴったり。クリスマスシーズン、年末年始、週末は混雑しますので、時間に余裕をもってお出かけください。
冬だからこそ出会える美しい景色、楽しい体験、美味しい物が江の島にはあります。冬の江の島 1DAY TRIPデート編としてご紹介させていただきました。
初めてのデートにはもちろん、久しぶりのデートでも会話が弾むこと請け合いです。今冬、大切な方を誘って温かい恰好でお出かけください。
取材 ALOHAS
※掲載情報は取材日時点(2022年11、12月)のものです。
※新江ノ島水族館「Jewerium(ジュエリウム)」および「湘南の宝石」に関して、2023年12月に情報を更新いたしました。