全国でも有数の八幡社として、一年を通して多くの参拝者が訪れる鶴岡八幡宮。社前から由比ヶ浜海岸へとまっすぐに伸びる若宮大路は、中央に段葛と呼ばれる一段高い参道があります。これは、かつて源頼朝が妻・政子の安産祈願として作られた参道と伝えられ、春には満開の桜が咲き誇り、桜並木のトンネルがこの参道を華やかに飾ります。
荘厳な三ノ鳥居に到着したら、一礼して境内に入りましょう。
本宮へお参りする前に、まずは入ってすぐ東に見える源氏池に座す旗上弁財天社へ。あまり知られていませんが、社殿の裏手には政子石という大きな石が二つ並んで置かれています。こちらも頼朝公が妻・政子の安産を祈願した祈願石と伝えられ、良縁・夫婦円満のご利益があるとして密かに人気のスポットです。
いよいよ参道を進み、大石段を上って本宮へお参りします。
石段を登り切ると、御本殿の朱の色と背景の木々と広々とした空の色が美しく溶け合い、心にすっと穏やかな静けさが訪れます。
無事に参拝を終えられたことに感謝して振り返ると、眼下には、八幡宮から伸びる若宮大路の先に、キラキラと光る由比ヶ浜の海が見えます。鎌倉時代に生きた人たちも、この風景を見ることができたのでしょうか。何度訪れても、不思議とタイムスリップしたような気持ちになる風景です。