長年にわたり波の浸食によってできた海食洞窟です。第一岩屋(奥行152m)と第二岩屋(奥行56m)からなり、二つとも、ほぼ真南の海側から真北に向けて伸びています。岩屋内部は夏でもひんやりとした空気で涼しく、天然のクーラーが効いているよう。年間を通じて10℃台という岩屋内の温度が、夏は涼しく、冬には暖かく感じます。
第一岩屋を奥に進むと二股に分かれており、左手の先には日蓮上人の寝姿と言われる岩があり、その先は富士山の氷穴と繋がっているという伝説も。右手の先は、552年に岩屋(御窟・おんいわや)に神様を祀った江島神社の起源の場所と伝えられています。長い歴史の中で、弘法大師ら歴史に名を残す僧侶も多く訪れました。時代が変わり、鎌倉幕府を開いた源頼朝も戦勝祈願し、頼朝の妻政子の父、北条時政も子孫繁栄を願って3週間も参籠したと伝わります。
第二岩屋の最も奥にある場所に近づくと、暗闇から突然、大きな龍が現れます。その昔、人々を苦しめていた龍は、江の島に舞い降りた天女、弁財天さまと出会いました。龍は改心し、弁財天との恋を成就させたという言い伝えが残っています。龍神さまとして、現在は龍宮に祀られています。