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江の島サムエル・コッキング苑がリニューアル!アップデートされた魅力を紹介します

2003年の開苑から丸20年を迎えた江の島サムエル・コッキング苑。2022年11月のリニューアルにより新しい施設が完成するなどさらに魅力的な場所へ進化しています。江島神社や江の島シーキャンドルと合わせ、江の島の最上部、江の島サムエル・コッキング苑へお出かけしましょう。

江の島サムエル・コッキング苑とは

▲明治初期に来日し、日本からの輸出入で財をなしたサムエル・コッキング氏

おおよそ140年前、1882年(明治15年)にアイルランド出身の貿易商コッキング氏がこの江の島において庭園と植物を栽培するための温室を作りました。そのボタニカルガーデンが江の島サムエル・コッキング苑の由来です。1万平米という広大な敷地には現在も多用な植生が育まれ、植物鑑賞を楽しむことができます。

日本人の女性、宮田リキさんと結婚し1880年頃に江の島に土地を購入し別荘(洋館)を建てます。その後、隣接するこの土地に植物を育て鑑賞する庭園を造りました。当時はまだ江の島へ渡る橋も無かった時代。異国からやってきたコッキング氏は、自然豊かな江の島と植物を育むことに適したこの場所に強く惹かれたのでしょう。

▲植生豊かな庭園。四季を問わずさまざまな花が咲き、緑が綺麗です。この通りをコッキング氏も歩いていたのでしょうか

▲南国感あふれるエリア。多種多様な植物を鑑賞できます

▲冬から春先にかけて見頃を迎える椿。苑内には椿園と称するエリアもあり、実に130種類程度の椿が植わっています

▲植物のメンテナンスが行き届いていて気持ちの良い空間が広がっています

▲藤沢市の友好都市である中国・昆明市 四阿(あずまや)「騁碧亭(ていへきてい)」。苑内には藤沢市と友好都市の関係がある国内外の都市も紹介しています

植生豊かなボタニカルガーデンを中心に、江の島シーキャンドル(灯台)や飲食店、お土産屋さんなどもあり、世代を問わずゆっくりとリラックスして過ごすことができるのが、江の島サムエル・コッキング苑の魅力です。

夜間イベントのない期間は終日入苑無料となりました!

▲2003年4月29日にオープンした「江の島サムエル・コッキング苑」今年はちょうど20年の節目の年となります

江の島サムエル・コッキング苑は2023年4月1日から、夜間イベント(※)が開催されていない期間の入苑は終日無料となりました。夜間イベント開催期間中に限り17時以降に出場される場合は、これまで通り大人500円こども250円の入苑料が必要となります。(夜間イベント開催期間中も9時~17時までは入苑無料です。)

小田急乗車券と江の島サムエル・コッキング苑までの江の島エスカー利用や江の島シーキャンドルもセットになった小田急のお得なきっぷもありますので、ぜひご利用ください。

※夜間イベント:「MIRROR BOWLER 光ART ~春の宵~」「江の島灯篭」「湘南キャンドル」「湘南の宝石」

新施設「サムエル・コッキング温室遺構 展示体験棟」のご紹介

▲江の島サムエル・コッキング苑入口から入ってすぐ。140年ほど前に作られた温室の基礎、地下道部分は遺構として保存され、地下道へは入場もできます

庭園のみならず熱帯・亜熱帯など南国地域の植物を植栽するために温室を作ったコッキング氏。その規模は当時東洋一と言われたほど。水に苦労した江の島において、雨水を貯め、石炭で水蒸気を作って温室に循環させていたそう。日本へ来る前に暮らしていたというオーストラリアや、欧州からアジア各地を経て日本へ来るまでに寄港した南国の島々で見た植物を、この江の島で育てたいという熱意があったのでしょうね。

▲今回のリニューアルを機に建てられた温室遺構展示体験棟。屋根や床も含め全面ガラス張りです。明るい棟内ではサムエル・コッキング氏の経歴や当時の江の島を知るパネルや資料が展示されています

▲ガラス張りの床下から基礎部分の構造を真上から見ることができます

展示物を通して当時の江の島の様子やコッキング氏の事業家としての顔、この地との縁なども知ることができます。ガラス張りの床下に広がるのが当時から遺るレンガ作りの温室の基礎部分。さらに地下通路の内部に入ることができるそう。ぜひ入ってみましょう!

▲温室の地下通路。コッキング氏も何度となく通ったことでしょう

国内に現存するレンガ造りの温室遺構は、なんとここだけ。江戸時代が終わり20年足らずの明治中期において、建築資材として画期的だった「レンガ」を大量に運び込み、大きな温室を作ったというエネルギーはいかほどのものだったのでしょう。彼の植栽にかける熱意や事業家としての実行力の凄さを感じることができる施設です。今日においても、多くの人々を惹きつける庭園であることを、彼も喜んでいるのではないでしょうか。

新施設「UMIYAMA DO」「UMIYAMA GALLERY」のご紹介

▲以前は松本館として使われていた蔵風の建物。今回「UMIYAMA DO」としてリニューアルオープンされました。奥に見える立派な木はコッキング氏が植えたと言われる「シマナンヨウスギ」

1961年から藤沢市と姉妹都市として交流を続ける長野県松本市。彼の地の素晴らしさを紹介するエリアとして江の島サムエル・コッキング苑内に「海山プラザ」を開設。産地のりんごを使ったアップルパイなどの軽食を提供する「UMIYAMA DO」とその並びには「UMIYAMA GALLERY」を新設しオープンしました。

▲歴史を感じさせる「なまこ壁」のクラシックな外観とは異なり、グレイの壁と紺色のタイルで作られたカウンターと洗練された内装のUMIYAMA DO

大きくカットされたりんごの果肉がたっぷり入ったアップルパイがお店の看板メニュー。甘さ控えめのりんごのジャム付きのスコーン、そして食べ歩きに人気なのはカスタードたっぷりのショソン・オ・ポム。これら全て店内キッチンで焼き上げて提供されているとのこと。

スイーツ以外には紅茶を中心した各種ソフトドリンク。他には松本市のワインやクラフトビールも販売されています。

▲ゴロゴロと大きなりんごがたっぷり入ったアップルパイ。ほのかにシナモンが香ります。ドリンクとのセットで1,200円。隣のUMIYAMA GALLERYでいただくこともできます

▲新設されたUMIYAMA GALLERY。こちらもガラス張りの建物で明るい空間が広がっています。ギャラリーとしての作品展示以外にワークショップなど体験教室も予定されているそうです

▲奥が展示スペースで手前は体験スペース。催しがない日にはUMIYAMA DOのスイーツや紅茶をこちらのスペースでゆっくりと楽しむことができます。天窓もあり明るくて心地よいスペースが広がっています

▲UMIAYAMA DOの各種メニューは店内での飲食はもちろん屋外席で楽しむこともできます

海山プラザ周辺には木漏れ日が射すウッドデッキにグランピングのような屋外席が点在しています。気持ちのよいアウトドアで軽食と喫茶をお楽しみください。

江の島シーキャンドル(灯台)展望台のご紹介

▲江の島サムエル・コッキング苑内の至る所から見えるのは、湘南のシンボルでもある江の島シーキャンドル。手前には子供の背丈ほどある大きな「アオノリュウゼツラン」。数十年に一度咲くという花が有名な多肉植物です

江の島サムエル・コッキング苑まで来たら、江の島シーキャンドルの展望台も合わせてお楽しみください。江の島シーキャンドルは、江ノ電開業100周年の記念事業として2003年に開設された展望灯台です。高さ59.8m、海抜119.6mの高さを誇ります。夜間は相模湾を通過する船舶に向け10秒に1度光を発し、その光は42キロ先まで届くそう。相模湾の安全を守り続けています。

江の島シーキャンドルの上部展望灯台へのアクセスにはチケットが必要です。

▲広いウッドデッキにパラソルやソファー席もある「サンセットテラス」は無料スペースです。軽食やドリンクを販売する売店もあります

▲専用エレベーターに乗って到着するのは展望フロア(高さ41.75m、海抜101.56m)。空調の効いた室内から素晴らしい景色を堪能できます

▲展望フロアからさらに屋外階段を登った先には、最上部の屋外展望台があります。富士山はもちろん、全方向ぐるりと1周眺望が楽しめます。ベンチもあるので景色を見ながらゆっくりと過ごすことも

伊豆半島の下田から箱根、富士山、丹沢・大山、そして藤沢、鎌倉から逗子葉山、そして三浦半島の先端まで。相模湾に浮かぶ伊豆大島や利島が見えることもあります。夕焼けもロマンチックで綺麗ですが、パノラマビューが楽しめる昼間の眺望もまた格別です。

▲下を見るとバードビューな視界。約100メートルの標高差を体感しながら磯で釣り人が糸を垂れている姿に和みます。春先は海水も澄んでいて海の色も綺麗。「ピューヒュルルルー」とトンビも気持ちよく旋回しながら飛んでいます

▲灯台の下、1階に開店したのはオリジナルのお土産品が購入できる「21days SOUVENIR(S) ENOSHIMA(21デイズ スーベニールズ エノシマ) 」

明るく開放的な雰囲気の店内にはオリジナルデザインのTシャツやキーホルダーのほか江の島、鎌倉エリアで人気のメーカーとコラボした商品がたくさん。ここでしか買えない商品も多いので、ぜひチェックしてみてください。


▲江の島シーキャンドルすぐ隣、3歳~9歳のお子さま専用の「ふわふわドーム」。お子さま向けに新たに出来た遊具です。大小二つの山型トランポリンがとっても楽しそう!

▲藤沢とは思えないような南国風情溢れる江の島サムエル・コッキング苑

開苑から20年を経て2022年11月にリニューアルされた江の島サムエル・コッキング苑。夜間イベントのない期間は終日入苑が無料となり、新しい施設もオープンしてますます魅力的なスポットになっています。

いろんな楽しみ方ができますので、ゆっくりと時間に余裕をもっておでかけください。

取材 ALOHAS
※掲載情報は取材日時点(2023年3月)のものです。