藤沢駅南口から徒歩3分の【SAZANAMI COFFEE(サザナミコーヒー)】は、藤沢生まれ・藤沢育ちのオーナーが営むスペシャルティ・コーヒーの店。オーナーの沢田さんは大学卒業後、3年半の広告代理店勤務を経て、英語とビジネスを学ぶためにシアトルに留学。本場のカフェ文化に触れる中で、次第に学生時代からの夢であったコーヒーの道に進みたいと思うようになったそうです。そして、4か月かけてシアトルのカフェ約200店を巡り歩き、シアトルバリスタアカデミーを修了して、遂にバリスタデビュー。さらには、焙煎士の経験も積まれたそうです。
帰国後は、都内のカフェでバリスタ兼豆の卸責任者として働きながら、自らのコーヒーブランドSAZANAMI COFFEEを立ち上げ、2022年9月、現在の場所に念願のカフェ店をオープンしました。
店名のSAZANAMI COFFEEは「この街(藤沢)に寄せるさざなみのような、ゆったりとした優しい時間を感じられるお店を目指したい」という想いからのネーミングだそうで、片瀬や鵠沼の海をイメージしたという濃紺の壁タイルからは静かな波の音が聞こえてくるようです。店内にはカウンター4席と壁際に6人ほど座れるベンチシートがあります。平日は朝7時オープン。通勤途中や昼休みに立ち寄る人、ベビーカーを押してくるママさんなど、すでに常連のお客様もたくさんいらっしゃるそうです。
コーヒーは4種類。シングルオリジンの「6:00am(浅煎り)」とブレンドが「Fujisawa Sea Blend(中煎り)」、「7:00pm(中深煎り)」、「10:00pm(深煎り)」の3種類で、気分に合わせて「今日の一杯」を楽しむことができます。(価格はすべて550円)
店がある藤沢の橘通りは、地元出身のオーナーが20年以上毎日歩いたという思い入れのある通りで、自分の店を開くなら絶対ここと決めていたそうです。オーナーの夢とこだわりがいっぱい詰まったカフェは、カップ&ソーサーや皿、インテリア、照明、アレンジフラワー、そしてエプロンに至るまで地元作家のもので揃えられ、さながら藤沢のセレクトショップのようです。
オーダーを受けてから焼き上げるワッフルは午前中に完売してしまうほどの人気メニュー。平飼い卵と発酵バターを使用し、砂糖の量を可能な限り減らした焼き立てワッフルはサクサクと軽い食感です。キャラメルソースではなく、季節のフルーツジャムを添えたワッフル(650円)も選べます。
学生時代はサッカー漬けでアルバイト経験もなかったというオーナーの沢田さんですが、“老後”は地元藤沢でカフェをやりたいという夢を抱いていたそう。当時、すでにSAZANAMI COFFEEという店名やロゴマークまで決めていたというから驚きです。遠い将来の夢と考えていたカフェを10年で実現した沢田さん。きっかけとなったのは、やはりシアトルで体験した豊かなカフェ文化でした。スタッフのフレンドリーな接客。カフェが生活の一部として根付いており、消防士さんも休憩時間に気軽に立ち寄ったりできるような雰囲気。そして、そこで交わされる温かい会話。そういったものに魅了され、沢田さんの「夢」は現実の「目標」に変わっていったそうです。「(うちのカフェには)コーヒー好きはもちろん、コーヒーが苦手な人にも気軽に立ち寄ってほしいです。湯河原から取り寄せているみかんジュースやクラフトビールも好評ですし、自家製のワッフルやケーキも用意しています。コーヒーはコミュニケーション・ツールのひとつ。様々な世代の人たちが集い、日常の一部となり、会話やゆったりした時間を共有できるカフェでありたいと思います。」
SAZANAMI COFFEEでは、繰り返し使える、特注のステンレス製ストローを販売しています。使い捨てによるごみを減らすためのマイボトル割・マイストロー割(それぞれ30円引き)の実施、藤沢市内5店のカフェで共同開発したコーヒー豆「Fujisawa Sea Blend」の売り上げの一部をビーチクリーン団体に寄付するなど、環境問題への取り組みも積極的に続けているそうです。
コーヒーへの姿勢のみならず、地域社会や環境への意識溢れる沢田さんがスタートさせたSAZANAMI COFFEE。寄せては返す波のように何度も訪れたくなる場となり、人と地域を結ぶコミュニケーション・スポットとなってゆくことでしょう。
取材 ALOHAS
※価格はすべて税込みです。
※掲載情報は取材日時点(2022年10月)のものです。