#絵はがきになる日常を #2026秋

【2026秋】江ノ電に揺られて海街を散策。宝探しのような一日を

江ノ電に揺られて、海沿いの街をゆっくりと。窓の外を流れる海と空、路地の緑、行き交う人の笑顔。この沿線では、なんでもない一日がそのまま一枚の絵はがきになります。朝は佐助の小さな紅茶カフェで一杯のフレッシュティーから。昼は長谷の隠れ家アトリエで、クスッと笑えるジュエリーとの出会いを。そして夕暮れには、藤沢で江ノ電を眺めながらの蕎麦粉イタリアンで一日を締めくくって。さあ、宝探しのような海街さんぽへ出かけませんか。

9:00【源氏山公園】紅葉の源氏山公園で、頼朝公と「おはよう」を交わす秋

鎌倉のシンボル的スポット「源氏山公園」。銭洗弁財天や葛原岡神社にも通じるハイキングコースの途中、木々に囲まれた広場にどっしりと佇むのが、鎌倉幕府を開いた源頼朝の像です。

烏帽子をまとい、静かに座す頼朝公。その視線の先に立つと、なんだか歴史の重みをふっと感じるような、不思議な緊張感があります。11月中旬から下旬にかけて、この一帯は真っ赤なドウダンツツジが一面を染め上げ、澄み切った秋空とのコントラストがひときわ美しい時期を迎えます。

竹の柵の向こうに広がる紅葉のグラデーションと、その奥にそびえる頼朝公。リュックを背負い、ただじっと像を見上げる後ろ姿は、まるで800年以上前の鎌倉と、今この瞬間の自分とが、静かに向き合っているような一枚です。

鎌倉駅や北鎌倉駅からのハイキングコース上にあり、寿福寺・銭洗弁財天・大仏方面へと縁が続くこの源氏山公園。紅葉シーズンの朝、少し足を伸ばして頼朝公に会いに行ってみませんか。

▲鎌倉時代の武士は、日の出とともに起きていたそうです。頼朝公も、きっと早起きさんだったのかな

10:00【紅茶カフェ Rimini】丁寧に淹れた極上のフレッシュティー&スイーツで、心豊かなひとときを

源氏山公園を降りてすぐ、江ノ電「鎌倉駅」西口からも徒歩約8分の佐助一丁目交差点手前に佇む小さな紅茶カフェ【Rimini(リミニ)】は、スリランカで一つひとつ丁寧に摘まれ作られる鮮度の高いフレッシュティーの販売と、カウンター4席のティールームを併設したお店。

店主の廣田さんは、日本の紅茶業界に多く功績を残した藤沢の紅茶研究家のもとで長年に渡り研鑽を積んだ実力派。たっぷりのポットサービスで味わうフレッシュな味わいの紅茶の魅力をぜひ。お供にはもちろん、紅茶を引き立てる焼き立てワッフルやイングリッシュスコーンを添えて。

▲注文を受けてから丁寧に煮出す「インディアンミルクティー」。しっかりと発酵しミルクにも負けない風味のルフナ産の茶葉を使用。空気を含めて淹れることで泡の甘みが増して、美味しさの決め手に

▲鉄製のワッフルメーカーで表面をカリッとした食感に焼き上げた人気のワッフル。写真の「アイス&あずきワッフル」。スイーツ系の他に「ツナ&サルサワッフル」や「しらすホットサンド」など、気になる食事系も!

▲シンプルながら可愛らしい真っ白な外観が目印。表面が波打つような凹凸のあるガラス越しの柔らかな日差しが心地よい店内で、穏やかなティータイムが過ごせます

12:00【YYossYY】‟クスッと笑える‟愛おしきジュエリーに出会いに、長谷の隠れ家アトリエへ

江ノ電「長谷駅」から大仏に向かい静かな路地に入ると、表通りの喧騒からは一転した鎌倉らしい緑豊かな住宅エリアが広がります。そんな自然豊かな長谷の街にひっそりと佇むのが、アトリエ兼ショップ【YYossYY(ヨッシー)】。グラフィックデザイン、彫刻、家具づくりを学んだ安弘さんとアパレル出身の志保さんによるジュエリー・ブランドです。

店内を見渡すと、どのシリーズも‟クスッと笑えるユーモア”がありながら、一生モノとして愛用できる高いクオリティを両立させているものばかり。セルフビルドの温もりある店内ではお二人の制作風景も見られ、作家さんとの距離が身近に感じられるのもこの店ならではの魅力です。

▲日本の昔話『桃太郎』に登場するキャラクターや要素を丸ごとジュエリーにしたシリーズ。桃から飛び出してきたような主人公「桃太郎」だけでなく、お供の「犬」「猿」「キジ」、退治される「鬼」、さらには「きび団子」まで。それぞれ愛らしさたっぷり。写真のピアスは左右片方ずつの組み合わせでの販売も可能

▲こんなものもジュエリーのモチーフに!「おならシリーズ」は、おならが出た瞬間の空気の揺らぎや煙のような動きを、美しい曲線で表現した作品。ジュエリーをきっかけに会話が生まれる仕掛けも安弘さんならではの表現です

13:00【MOKICHI KAMAKURA】酒蔵直営レストランで味わう、歴史的建築とハーブ香る創作イタリアン

江ノ電「長谷駅」から徒歩12分。茅ヶ崎の熊澤酒造が旧加圧ポンプ所の遺構をリノベーションしてオープンした【MOKICHI KAMAKURA(モキチ カマクラ)】は、鎌倉初進出となる話題のレストランです。高い天井と味わい深い木枠の窓が印象的なモダンな空間で、自家栽培のハーブや湘南野菜、蔵元由来の発酵食材を使った独創的な料理を。看板の窯焼きピザやパスタ、彩り豊かなサラダを、湘南ビールや日本酒「天青」とともにゆったりと味わえます。

▲旧加圧ポンプ所の面影を残す光あふれる開放的な空間で、窯焼きピザに湘南野菜のサラダ、色とりどりの一皿が並ぶMOKICHI KAMAKURAのランチを!

18:00【片瀬漁港西プロムナード】海と空が燃える、忘れられない夕暮れのひととき

江の島にほど近い、片瀬漁港の西側にひっそりと伸びる遊歩道【片瀬漁港西プロムナード】。堤防沿いに整備された木製の遊歩道は、日中は漁港の風景をのんびり眺められる散歩道ですが、日没が近づくとその表情を一変させます。

空は紫からオレンジ、そして燃えるような赤へ。雲がまるで刷毛で描いたように空いっぱいに広がり、海面までもがその色をそのまま映し込みます。堤防の先端まで歩けば、視界を遮るものは何もなく、江の島や烏帽子岩を望む相模湾の空をぐるりと独り占めできるような感覚に。行き交う漁船のシルエットさえ、この時間だけの特別な情景に見えてきます。

日中の賑わいとは違う、静かでドラマチックな夕暮れ。江ノ電「江ノ島駅」や小田急「片瀬江ノ島駅」から歩いて訪れられる距離にありながら、知る人だけが訪れる隠れた絶景スポットです。一日の終わりに、この空の色に会いに行ってみませんか。

▲紫からオレンジへ、燃えるように染まる片瀬漁港西プロムナードの夕空

19:00【蕎麦粉食堂 Buckwheat】江ノ電を愛でながら味わう、北イタリアの香り高き蕎麦粉イタリアン

江ノ電「藤沢駅」南口から徒歩3分ほどのビルの2階。窓の外を走る江ノ電を眺めながら蕎麦粉を使った新感覚のイタリア料理を楽しめる、ユニークなカジュアルダイニング【蕎麦粉食堂 Buckwheat(そばこしょくどう バックウィート)】があります。

名物は、蕎麦粉を使った生パスタ「ピッツォッケリ」や、チーズを蕎麦粉で包んだフリット「シャット」、牛肉の生ハム「ブレザオラ」など、冬季オリンピック開催地としても知られる北イタリア・ヴァルテッリーナ地方の伝統的な料理の数々が楽しめます。

▲江ノ電の起点であり終点である「藤沢駅」を発着する江ノ電を間近に眺められる、大きなガラス窓が印象的な店内。湘南の海街らしいローカルな雰囲気も魅力

▲北イタリアを代表する素朴で力強い弾力が特徴の手打ちパスタ「ピッツォッケリ」。キャベツやジャガイモと一緒に茹で上げた平打ち太麺の生パスタに、濃厚なガーリックバターが好相性。入荷次第で、食感も楽しい藤沢産の黒キャベツから、ちりめんキャベツに変わることもあるそう。蕎麦粉ならではの香ばしい風味と、もっちりとした独特の噛み応えが楽しめます

▲蕎麦粉の衣でチーズを包んでカラッと揚げた、北イタリア風の揚げ物「シャット」。サクサクの衣の中から熱々のチーズがとろける地元でも人気の一品です。お好みで添えられたスパイスソース、そば塩、バジルソースの3種の味わいを食べ比べするのも楽しい一品

監修 湘南スタイルマガジン
取材・文 橋本幸恵
写真   三浦安間