夏の江ノ島をお得にめぐる

楽しい・美味しい 湘南・江ノ島周遊1日旅

小田急線のお得なきっぷで江ノ島&えのすいへ出かけよう

片瀬西浜・鵠沼海水浴場から望む夏の江の島。空も海も青くて、眺めているだけでも気持ちのよい景色です!

今年も暑い夏がはじまりました。夏と言えば、湘南・江の島。今回のモデルコースでは江の島と新江ノ島水族館(えのすい)周辺の旬なスポットをご紹介します。楽しいだけじゃない、子供も大人も体験して学べる新江ノ島水族館(えのすい)を訪れるなら、小田急線がセットになったお得なきっぷ「えのすい小田急セット券」がお薦めです。

江の島・鎌倉へお出かけの際には、目的地や周遊予定に合わせて小田急のお得なキップをぜひご利用ください。

地元サーファー御用達!鵠沼海岸「そば」でいただく絶品蕎麦(蕎麦兄)

小田急江ノ島線「鵠沼海岸駅」。改札を抜けるとはやくも海の気配を感じます

新宿からおおよそ1時間10分。相模大野駅から35分前後で到着するのが「鵠沼海岸」駅。小田急江ノ島線の終着駅「片瀬江ノ島駅」の一つ手前の駅です。駅名の通り、鵠沼海岸の最寄り駅で、歩いて10分ほどでビーチにアクセスができます。駅周辺には古くからの個人商店やサーフショップをはじめお洒落なベーカリーショップなど個性的なお店も多く街歩きを楽しむことができます。

今日は鵠沼海岸近くの地元で人気のお蕎麦屋さんでのお昼ご飯からスタートしましょう。

引地川沿いの新しいグレイの建物に白い暖簾が目印。店頭にテラス席もあり、すぐに分かります

鵠沼海岸駅から歩いて12分ほど。サーファーはもちろん地元で評判のお蕎麦屋さん「蕎麦兄(そばにい)」。開店は11時半。開店直後がねらい目です。

先代から蕎麦屋を継ぎお店を切り盛りする店主嶋田さん。日焼けした肌に白いシャツがお似合いです

先代が1970年に東京都大田区で「嶋田屋」を開店。その後1977年に「そば処 嶋田庵」として藤沢市長後へ移転し、2017年末までの40年間の営業を経て、2018年3月に鵠沼海岸にオープンしたのが「蕎麦兄」。

「自分の年齢とこれからの20年を考えて、思い切ってこの場所に新しいお店を構えました。高校1年から始めた波乗りで鵠沼海岸にはずっと通っていて、この地域に仲間が沢山いたということも大きいです。サーフィンをしている時(海の中)でも蕎麦屋の兄ちゃん、蕎麦兄と呼ばれていたので、そのままお店の名前にしました」と、日焼けした笑顔で語る店主の嶋田さん。

長後に根ざし、お客さんも多くついていた「そば処 嶋田庵」を閉めて、この地へのご移転。きっと大きなご決断だったことと思います。新しい環境で、チャレンジを選んだ嶋田さんのお蕎麦をいただきます。

お店の看板メニュー「天せいろ」。茹でたてを冷水でしめた艶のある並そばからは蕎麦の香りが立つほど。北海道産のオーガニックの蕎麦を使っており新蕎麦の時期以外もやや緑色を感じさせる色合いに仕上がるそう

「今年の春に、ご縁あって北海道の生産者さんから実そばを直接仕入れることになりました。現地を訪れて栽培される土壌や乾燥に使う機械など生産の現場を見せてもらって、品質の良さを実感しました。その場で試し打ちしてみたら、これが本当に美味しい蕎麦で。今は、その農場からオーガニックの実そばを仕入れ、お店の石うすで挽いて蕎麦を打っています。原料の蕎麦の品質、収穫後の乾燥も丁寧にされているので風味も違いますよ」。

蕎麦兄の蕎麦は、色の濃い田舎蕎麦でも真っ白な更科そばでもなく、いわゆる江戸前の「並そば」。自家製粉、手打ちの二八蕎麦を手繰ると新鮮な香も漂い食欲を刺激します。

蕎麦つゆにさっと潜らせて口に運ぶと、シンプルながら奥深い蕎麦の旨さが広がります。喉ごしも良く、箸がどんどん進みますね。

合鴨のほどよい脂がにじみ出た蕎麦つゆに冷たい蕎麦の相性たるや。暑い季節にもぴったりです

こちらも定番人気の「合鴨せいろ」。焼き色のついた白ネギとほどよい厚みの合鴨が浮かぶ熱々の汁に冷たい蕎麦を絡めていただきましょう。「合鴨から出る脂と蕎麦の旨味が良く合います」。嶋田さんによると合鴨も最近産地を京都産に切り替えたそう。甘さを感じさせる白ネギ、合鴨の脂と相まった蕎麦は格別です。

天せいろの天ぷらには大きくてプリプリな海老が2本も。厚みのあるサツマイモもひと手間加えて甘さを引き出しているそう

「波が良いと何時までも海に入り続けるサーファーのために、休憩時間は設けずに通しで営業しています」。いわゆるランチタイムが過ぎた午後の時間にも美味しいお蕎麦が食べられるのも嬉しいですね。

注文が入ってから揚げる天ぷらをはじめ、お蕎麦と一緒に楽しめる「蕎麦前」などの一品料理、酒の肴も充実。昼夜問わず、食事もお酒も楽しめる頼もしいお店です。

焼杉板と白い壁が印象的なモダンな内装。お蕎麦屋さんなのにサーフボードが飾られ、テレビ画面では江の島と鵠沼海岸のサーフポイントの様子が写しだされています!

蕎麦を石臼での自家製粉に切り替えたり、オーガニックに変えたりと美味しい蕎麦の提供のため日々研究と改善を重ねる蕎麦兄こと嶋田さん。驚きなのは今年から蕎麦つゆも3種類に増やし、メニューによって使い分けているとか。

さらに驚いたのは食後に提供された白濁した熱々の「そば湯」。蕎麦を茹でたお湯ではなく、「そば湯」のために蕎麦粉を溶いて作っているそう。濃厚な風味ととろりとした喉ごし、そのリッチな「そば湯」は、蕎麦つゆとも相性抜群でしっかりと食事を締めくくることができました。

先代から合わせ半世紀を超える歴史がありつつも、情熱と探求心で進化を続ける蕎麦兄嶋田さんのお蕎麦と料理。そして新しくモダンな作りのお店の雰囲気や白いシャツのユニフォームなどお蕎麦屋さんに対するイメージが刷新されるような新しい蕎麦の食体験が多くのお客さんを魅了しはじめています。

お店は2階もあり客席も多いですが、混雑時は提供までお時間を要することもあるそうですので、事前の予約か来店前にお電話で席の確認をされたほうが良さそうです。

楽しく学べるエデュテインメント型水族館えのすいへ!(新江ノ島水族館)

蕎麦兄から鵠沼海岸までは約300メートル。2キロ少しの距離ですので、30分程度海辺を散歩しながらえのすいへ行きましょう

片瀬海岸西浜は湘南海岸公園として整備されており江の島を眺めながら海岸沿いの遊歩道を新江ノ島水族館まで歩くことができます。7月からは海水浴場となり、海の家も並びます!

2023年7月10日まで開催されている「海の紫陽花」企画。相模湾、片瀬海岸に隣接するえのすいは館内の至る所から海が見えます

梅雨時期を彩る紫陽花。鎌倉や江の島でも紫陽花が見ごろを迎えています。ちいさなものが集まるさまを「あず」、藍色を意味する「さヰ(い)」で、青い小花が集まって咲くという意味から「あづさヰ」、そして現在の「あじさい」に変化したそうです。

新江ノ島水族館は、2023年7月10日まで「海の紫陽花」をテーマに掲げ、集まって生きる魚や動物たちを「群れ」「密集」「群体」「集団」という4つの切り口で紹介しています。

水族館入口最初に見えてくるのが「相模湾ゾーン」。磯の岩場が再現され、波が打ち寄せる時のダイナミックな水中の様子をじっくりと観察することができます

「エデュテインメント型水族館」を掲げる新江ノ島水族館は、目の前の相模湾やその海と繋がる自然環境で育まれる生き物たちの豊かさや面白さが伝わる展示などを通じて、私たちに学ぶ楽しさを与えてくれたり、新たな気づきにも導いてくれます。

海で採集したカタクチイワシ(成魚)を飼育し、産卵した卵を育て、累代繁殖をしながらシラスからカタクチイワシまでの成長の過程を紹介する「シラスサイエンス」コーナーをはじめ、小さな水槽で生き物を観察しやすくした「相模湾キッズ水槽」、逗子など近隣の海岸や相模川と関連した展示など、地域密着のテーマと重ねて身近な自然を凝縮して知ることができ、体験できるように工夫されています。

また、新江ノ島水族館のもう一つの特徴は、展示スタッフさんの呼び名にも表れています。生き物を飼育する(treat)し、お客さんをもてなす(treat)展示飼育スタッフを「トリーター」と呼び、イルカショーをはじめそれぞれの分野ごとでお仕事をされています。現場で生き物と間近に接する彼ら彼女らの知見と体験がえのすいの旬な企画に反映されています。

少し前までの江の島で見られた藻場を表現した「岩礁水槽」。ゆらゆら揺れる海藻の間を大きなコブダイがゆっくりと泳いでいます

まるで大きな絵画のような水槽の中央で漂うように泳ぐオレンジ色の小さな魚たちは「クロホシイチホシ」の群れ。寄り添って泳ぐ2尾がいたらペアなんだそう。まるで海中の森を散歩しているようです。この水槽には他にイセエビなども。見つけることが出来るでしょうか。

迫力満点の相模湾大水槽。相模湾に棲む約100種、2万匹の魚や生物が泳ぐ姿は圧巻です

子供から大人までしばし釘付けで見入ってしまうのが、相模湾大水槽。大きな「群れ」で泳ぐマイワシをはじめ、成魚になると岩肌で「小さな群れ」をつくるカゴカキダイや幼魚の時だけ「集う」ソラスズメダイなど、多様な魚、水中生物の様子を海底からの眺めとしてじっくりと観察することができます。

えのすいと言えば、やっぱりクラゲ!自由に漂いゆらぐクラゲは見ているだけで癒されます

こちらのクラゲは地中海生まれ「コティロリーザ・ツベルクラータ」。英名「Fried egg jerry(目玉焼きクラゲ)」とも。確かに傘の部分が目玉焼きっぽいです。クラゲファンタジーホールでは、この「コティロリーザ・ツベルクラータ」と「リゾストマ・パルモ」という地中海生まれ、えのすい育ちの2種類のクラゲを1つの水槽で展示しています。異なる種のクラゲを1つの水槽で展示することは、クラゲの生態の特徴から珍しいそうですが、トリーターの方々の研究と実験が功を奏し、21年秋に実現、今年3月から展示をしているそうです。

「集団」で生活するフンボルトペンギン。暑い夏に見ても涼し気に感じさせてくれますね

協調性があって、激しく争うようなことがあまり無いというフンボルトペンギン。口ばしを重ねたり、鳴き声でコミュニケーションも図るという賢い動物です。

このフンボルトペンギンの水槽でも、タイミングによっては餌を与えるところやトリーターの方と遊ぶシーンも見ることができ、生態の理解を一層深めることができます。

えのすいに来たら必ず見たいのがイルカショー。想像以上に大きな身体のイルカがダイナミックにジャンプ!

日本で最初にイルカショーを開催したことでも有名な(旧)江の島水族館のレガシーを引き継ぎ、2004年に「新江ノ島水族館」としてグランドオープンしたえのすい。いつの時代も子供から大人まで大人気なのがイルカショーです。

イルカと一緒に楽しんでいるよう様子が伝わってくるトリーターさんたち。日ごろからイルカたちとの相互理解を深めているんでしょうね

そのイルカショーは2022年夏に「Wave ~きみの波になりたい~」としてリニューアル。ショーを担当するトリーターの方々とイルカたちが相互の信頼関係のもと、イルカ自身がきっと「楽しい」と感じながら、トリーターと遊んだり交流する姿が盛り込まれています。餌をもらうために動くのではなく、楽しいから一緒に遊ぶイルカたちの姿もかわいいです。

イルカショーは約15分。日に3回開催されています。開演前、少し早めにイルカショースタジアムへ行くと良い席を選べ、開演前に自由に泳ぐイルカの様子も見ることができます。

丸い窓から覗き込む相模湾大水槽の上部。よーく見ると手前にも生物たちが潜んでいます!

相模湾の海の自然を再現したたくさんの常設展示物や、有人潜水調査船 JAMSTEC(国立研究開発法人海洋研究開発機構)の「しんかい2000」の実物展示など、他にも見所が多いです。

思わず立ち止まって観察した魚や生物の名前を覚え、推しの魚や生物、推しクラゲにしてください。次回えのすいを訪れたら「推しイル・推しギョ」「推しクラ」の成長した姿を定点観測するのが水族館を楽しむもう一つの秘訣ですよ。この夏、楽しんで学べるえのすいへLet's GO!

ノスタルジックなカフェで味わうハンドメイドケーキと淹れたてコーヒー(カフェーマル)

江の島へわたり、江の島ヨットハーバー方面へ歩いてすぐ。「江島神社 交通安全祈願所」手前の路地を入って左手にあるのが「カフェーマル」。黒い日除けと緑色の外観が目印

新江ノ島水族館を後にしたら、江の島弁天橋を渡って江の島島内へ。ハンドドリップコーヒーの美味しいお店として、また手作りのお菓子が楽しめるカフェとして人気のカフェーマルさんにて一息いれましょう。

アンティークの家具やステンドグラス窓などから醸し出されるノスタルジックな雰囲気と展示販売されているコレクター垂涎のマニアックなアイテムがずらり並ぶ店内!看板猫たろう氏をモチーフにしたオリジナルTシャツも気になります

店内は目を向ける方向でガラリと印象が変わります。統一感が無いようでいて、俯瞰するとカフェーマルらしさを感じる不思議な空間が広がっています

反対側を向くとご覧のとおり。壁に掛けられたアンティークの時計のようにゆっくりとした時間が流れています

店内のあちこちに、おもちゃ箱のようなスペースに展示されるのはジャンルを問わず、オーナーの独自のセンスで集められたコレクターグッズ。幅広いランナップは懐かしい系フィギアや雑貨からハワイで買い付けたビンテージのアロハシャツまで

ブレンドコーヒーと定番メニューのズッキーニチョコレートケーキ。アンティークガラスのカップアンドソーサもお洒落

注文が入ってから焼き上げるワッフルはもちろん、ケーキ類も全て自家製とのこと。すりおろしたズッキーニを生地にいれて焼き上げるチョコレートケーキのレシピはカナダにお住まいの娘さんから。柔らかい食感とチョコレートの風味が絶妙で開店当時から定評のあるハンドドリップで淹れるコーヒーともよく合います。

ヨーグルトケーキと江の島ブルー。涼しい色合いと爽やかな味わいで暑い季節にぴったりの組み合わせ

プルプルとした食感も面白く、ほのかな酸味とちょうどよい甘さが絶妙なヨーグルトケーキ。30年ほど前に作っていたレシピが思い出せずにいたところ、古い友人からレシピを再び手に入れて作り始めたところ評判に。

昨年までは季節限定で提供していた「江の島ブルー」は今年からはレギュラーメニューに昇格し通年販売に。真っ青な炭酸の効いたソーダ水の上に、真っ白い「島」のようなバニラアイスが浮かんでいて、きちんと美味い。「江」の旗もキャッチーですね。

食後感が「美味しかった」と「ほどよい満腹感」が得られるカフェーマルのお菓子は全般的に甘さも控えめ、ポーションもちょうど良い感じなのが嬉しいです。

真っ白い綺麗な毛並みも愛らしい看板猫のたろう氏、10歳、6.5キロ。まるで七三分けしたような模様が入ったお顔はお店でご確認ください

タイミングが合えば店内や軒先をゆっくりとパトロールしたり、寛いだりしている看板猫のたろう氏に遭遇できるかも。カフェーマルらしいユニークな空間の中で、美味しいお菓子とお茶を楽しみながら、独りでゆっくりと過ごすもよし、友人らと会話を楽しむもよし。江の島で小休止したい時に訪れたいお店です。

名将との所縁も多い江島神社のルーツに繋がるお宮にお参りしましょう(江島神社 奥津宮)

源頼朝寄進の鳥居と伝わる江島神社 奥津宮(おくつみや)入口の石鳥居。2004年の台風で被害を受け、その後新材を用いて再建されました

インドの水の神に由来し、海の神、そして音楽などの芸能の神、さらには福徳財宝の神として広く信仰を集める弁財天さまを奉る江島神社。江の島島内に辺津宮(へつみや)、中津宮(なかつみや)、奥津宮(おくつみや)と三宮あり、それぞれ田寸津比賣命(たぎつひめのみこと)、市寸島比賣命(いちきしまひめのみこと)、多紀理比賣命(たぎりひめのみこと)と三姉妹の女神を祀られています。

この鳥居に掲げられている社寺額は新たに作られたもので、もともとの額は「奉安殿」にて見ることができます

江島神社の起源とも言われる「龍神伝説」発祥の地である江の島最奥にある「岩屋」に岩屋本宮があり、潮位の変化や夏の嵐などを避けるため4月から11月まで、本宮御旅所(おたびしょ)と呼ばれたこの場所に遷座していました。

琵琶の形にも似た縁起物の大きな杓子に描かれた龍神さまと弁財天さま。奥に見えるのが入母屋造りの奥津宮の社殿

三姉妹の一番上の姉神にあたる多紀理比賣命(たぎりひめのみこと)をお祀りする奥津宮。江の島の最上部にある社殿から安らかに海を守る神様として、信仰されています。この拝殿から参拝しましょう。

拝殿の上には「八方睨みの亀」の絵が。確かにどこの場所から見上げても亀と目が合ってしまいます

「八方睨みの亀」は江戸琳派を代表する絵師、酒井抱一により1803年に描かれました。東京国立博物館に所蔵される「夏秋草図屏風(なつあきくさずびょうぶ)」の代表作をはじめ花鳥を描いた作品が多い中、大きな亀を正面から描いた作品は見応えがあったでしょう。(現在は損傷をさけるため、非公開となり保管されています。)

現在掲げられている「八方睨みの亀」は、日本画家片岡華陽画伯によって描かれた復元画です。八方睨みとは、あらゆる方向に気を配るということ。亀のようにゆっくりでも、よく周りを見て進めよ!ということでしょうか。

天保十二年(1841年)に焼失後、すぐ翌年に再建されたのが、現在の御社殿(入母屋造り)。1979年に御屋根が修復され、2011年には本殿が百七十年ぶりに改修されました

奥津宮へのアクセスは、辺津宮からは徒歩15分、中津宮からは徒歩10分程度。途中は江の島エスカーを利用することで時短も。道中には、江の島シーキャンドルをはじめ江の島サムエル・コッキング苑、紫陽花の見どころでもある中津宮広場など観光スポットも沢山あります。

海況が良ければ、江の島弁天橋のたもとにある乗り場から岩屋まで、江の島遊覧船べんてん丸を利用すれば僅か6分ほどの乗船時間で岩屋方面に到着します。岩屋と奥津宮の参拝にも便利です。

禁断の肉だけ「すき焼き」でサクッとご褒美飯(すき焼きちかよ)

小田急線片瀬江ノ島駅から徒歩1分。路地を進むと突然現れる白い暖簾が目印の「すき焼き ちかよ」

旅の締めくくりとなるご飯、電車に乗る前にサクッと(短時間)で美味しいものをいただきましょう。白い暖簾をくぐり、ガラスの引き戸を開けて店内に入ると、そこにはコの字のカウンターがあります。

コの字カウンター内に囲炉裏が造作されいて圧巻。目の前に炭火がくべられ専用のすき焼き鍋が設置されています

見たことが無い設えに驚きを禁じ得ません。飾りのない白い壁に囲まれたシンプルな空間の中央にはコの字カウンターのみ。カウンターの囲炉裏には炭火があります。椅子に着席すると、なんとも気持ちが落ち着くから不思議です。

メニューは「すき焼きセット」一択。他はドリンクメニュー数品と追加の肉や卵など。まずは「すき焼きセット」(2,270円)を注文しましょう。

主役のすき焼きを支える品々。炊き立ての白飯、赤だしと生卵、そしてお漬物が運ばれてきました

サウナ飯ブームの火付け役、熟成肉の美味しさの世に伝える伝道師「熟成兄弟」の活動でも注目される肉業界の革命児「すき焼き ちかよ」の代表 藤原さん。赤身と脂身のバランスが絶妙な黒毛和牛リブロースを手に

すき焼きと言えば、ハレの日のご馳走。外でなら専門店や料亭など焼肉よりも敷居が高く、高級なイメージがありますよね。もちろん肉は牛肉で、他には白ネギ、白菜、春菊に豆腐や椎茸など。家庭やお店によって具材や味付け、さらには調理方法もそれぞれ違いがあるかと思います。

小田急線 片瀬江ノ島駅からすぐ近くの場所に2022年10月1日に開店した「すき焼きちかよ」のすき焼きは、やってみたくても誰も実際にやってみたことが無かったであろう禁断のすき焼きが体験できます。具材はなんと肉オンリー。

嗚呼、肉だけのすき焼きなんて!背徳感を抱きながらも味わってみたい肉だけのすき焼き。
いざ実食です!

1枚の肉がちょうど良く乗る寸法、デザインを考えた鍋の深さや淵の立ち上がりの角度に黄金比を用いたり、強度と熱伝導を両立させる最適な厚さなどこだわり抜いて作ったオリジナル鉄鍋。新潟県燕三条の三条特殊鋳工所が製造しているそう

鉄鍋に黒毛和牛約100gのリブロース(日によってはサーロイン肉)のお肉が乗ると、一気に脂が染み出て脂を含んだ空気が漂いはじめます。味付けは醤油と砂糖のみ。店員さんが肉の上にダイレクトに砂糖をふり、醤油を適量回し入れて、ほどよい加減に火が通るよう仕上げてゆきます。

熱々の鉄鍋で焼かれる黒毛和牛リブロース

にじみ出た脂と肉汁、そして調味料が絡まり、ちかよのすき焼きがいよいよ完成!

ほどよい焼き上がりの熱々のお肉が直接提供されます!「ゴクリっ」自分の固唾を飲む音が聞こえてきそうです

お肉の焼き色と生卵のビタミンカラー。食欲を掻き立てる色の組み合わせの中でも最強の部類に入るカラーコンビネーション

箸を入れると簡単に肉をほぐすことができますので、サイズを見極めてお口へ運びます。生卵と合わさった甘じょっぱいさととろける食感、追い打ちをかけてくる脂の旨さ。味わいながら数回咀嚼すれば、あれよあれよと味覚が覚醒します。

参りました、箸が止まりません。ご飯も時々入れながら、お腹の具合に余裕があれば、早めに追加のお肉を注文しましょう。

カウンターにある升から、懐かしさを感じるプラスチックの札を店員さんに渡して追加の肉や卵などを注文します

店主の藤原さんに話を伺いますと、店名はお母さまのお名前そのものとのこと。関西ご出身の藤原さんが子供の頃にご家族で食べに出かけた松坂のすき焼き店での美味しさが原体験としてあり、その後ご実家でお母さんが時々作ってくれたすき焼きの味がベースにあるそう。「煮るのではなく、焼くスタイルのすき焼き」や「割下を使わずに醤油と砂糖だけの味付け」と実の母である「ちかよさん」から受け継ぎながら、お店のコンセプトやお店の味付けとして確立されたそうです。

藤原さん自身の「他の具材を入れずに肉だけのすき焼きを食べたかった」という、純粋な想いを結実させて始めたお店。誰もが思いつきそうだけれども、何かタブーのようで実行に移す勇気が足りなかった私たちに、肉だけのすき焼きを提供してくださっています。

提供されるお肉の品質、そして専門店や料亭で食べることを考えたら破格の価格で体験できる「すき焼き ちかよ」。料亭のすき焼きと異なり、着席してから食べ終わるまでの時間は、もはやファストフードです。江の島、鎌倉帰りにサクッと立ち寄ることができる新しいすき焼き専門店。開店から1年を待たず、老若男女問わずリピーターの方も多く、外国人の利用も増えているそう。

江の島訪問の目的の一つに、肉だけのすき焼き体験 いかがでしょうか。

「えのすい小田急セット券」のお得額は!

「えのすい小田急セット券」は小田急線の往復割引きっぷと新江ノ島水族館の入場券がセットになったお得なチケットです。出発する小田急線各駅と片瀬江ノ島間の往復乗車券がセットになっています。

小田急線新宿駅を出発駅とした場合、通常は往復の乗車券(1,298円)と新江ノ島水族館入場料金(2,800円)で、合計4,098円となりますが、「えのすい小田急セット券」は3,400円で購入でき、片道分の運賃以上の698円がお得になります!

当日の乗車前にスマホからも簡単に購入ができますので、急なお出かけの際にもぜひご活用ください。

なお今回ご紹介したルートでは往路、鵠沼海岸駅下車でしたが、片瀬江ノ島駅までご乗車できます。(途中下車の場合、往路の再乗車はできません。)

※出発する小田急線各駅ごとに価格が変わります。
※小学生料金、中学生料金の設定もあります。
※ロマンスカー(追加料金が必要)の利用も可能です。

取材 ALOHAS
※価格はすべて税込みです。
※掲載情報は鉄道運賃に関する部分を除き、取材日時点(2023年6月)のものです。