極楽寺駅から徒歩3分、周辺の風景に馴染む平屋の外観に「八百文商店」の文字が見えたらそこがサーカス ヴィンテージです。元々は八百屋さんだった店舗を引き継いだことから、外観はそのまま残しているそう。古き良きものを愛する古着屋さんならではの、こだわりも感じられて、店に入る前からワクワクします。
▲店主の細谷睦さんは、ビーチサンダルの製造・販売・卸のブランド「B-San」も手がけており、元々はその直営店として5年前この地にオープン。後に古着屋さんも兼ねるようになったため、看板には「B-San & CIRCUS VINTAGE」と表示されています
▲まるで、宝物がたくさん詰まった玩具箱を開けたときのような気分になる、愛らしいレトログッズが並ぶ店内のディスプレイ。カラフルな「B-San」の商品やパーツも揃っています
▲天井までぎっしり積み上げられたストックルーム。買い付けは、世界中の仲間達からのルートで、ブランド名にはこだわらず、細谷さん自身が一点一点見極め、手で触った感覚で選りすぐっているのだそうです
▲細谷さんのこだわりは、「古着といってもリサイクル衣類ではなく、服の背景にあるストーリーを感じられるヴィンテージウエアである」ということ。いつの年代にどの国でどんな人が誰のために作られたものなのか、思いを馳せて選ばれた一点ものが揃っています
▲冬の間中、活躍すること間違いなし! 北欧地方に古くから伝わる模様を編み込んだウールのノルディックセーター(左・イエロー)9,900円、(中・ブルー)11,000円、(右・カーディガン)9,900円。また、エクアドルやネパール、ボリビアなどの南米の標高が高い地域にはリャマやアルパカなど毛質の良い動物が棲んでいるため、肌触りの良い優れもののニットが多いそうです
100年前のフランス製テーラーメイドシャツを見せながら、縫い目やマチの取り方、ボタンホールやデザインの裏に隠されている意味、さらにどんなシーンでどんな人たちが何のためにどんな風に着こなしておしゃれを楽しんでいたのかなど、まるで細谷さんがその場にいて目撃していたかのように、一枚のシャツに秘められたストーリーを話してくれました。
常連さんにはファッション関係の方も多いそうで、皆、細谷さんの話を聞きたくてリピートするというのにも納得。一枚の服を通して、丁寧に暮らしていくことの大切さを教えてもらえる古着屋さんです。
▲「その服が作られたその当時だからこその、糸や布地や織り方、柄、色、デザイン、仕立てやフォルムというものがある。それらを通して、国や年代、伝統など、様々な時代背景を重ねた味と深みを感じることができるのが古着の魅力です」。そう話す店主の細谷さん。