次は60年後!約800人参加した盛大な洪鐘祭パレード

60年に一度おこなわれる「洪鐘祭」の当日の様子をレポートします!

洪鐘祭の様子を、江の鎌ナビにて紹介!円覚寺の国宝、「洪鐘(おおかね)」の鋳造成功を祝って始まったお祭りは、円覚寺と江島神社の共同で行われる神事、仏事の儀式に合わせ、円覚寺のある北鎌倉山ノ内地区の人々が洪鐘弁財天を奉戴し盛大にパレードする様子が記録が残っているそうです。
江戸末期(1840年)、明治(1901年)、昭和(1965年)の様子を参考にした、令和(2023年)の洪鐘祭のパレードは、次世代を担う子どもたちもたくさん参加しました。パレードの様子を紹介します。

パレードには約800人が参加!

朝は土砂降りとなった当日、パレードが始まるころには小雨となり、予定通り始まりました。
円覚寺のある、北鎌倉山ノ内地区の皆さんを中心に、大勢の方々の参加したパレード。

お祭りの主役となる洪鐘や、円覚寺、江ノ島神社に関係するたくさんの鎌倉や周辺地域の人たち、次世代の子供たちの手作りによる衣装を身にまとった行列、盛大でした。

見どころはたくさんですが、その中の一部を紹介!
当日の動画も公開されておりますので、これなかった方もぜひご覧になってください。

洪鐘祭の紹介ページはこちら

パレードが始まる触れ太鼓のあとには、鎌倉鳶職木遣り保存会のみなさん。民俗芸能として受け継がれる木遣唄を披露。鎌倉市指定の無形文化財です。

▲鎌倉鳶職木遣り保存会のみなさん 勇壮な纏(まとい)を振る姿。

三味線やチャルメラなどめずらしい楽器を使うお囃子「江の島囃子」のみなさん。神奈川県無形文化財に指定されています。
今回、120年ぶりの洪鐘祭への参加だとか。

▲江の島囃子のみなさん 花の飾りのついた太鼓、チャルメラや三味線など珍しい楽器もあり、華やか。

北鎌倉 山ノ内の方々が中心となってつくるお祭り

獅子頭と四神の披露。八雲神社に所蔵される江戸時代に作られたものだそうです。

▲貴重な文化財もパレードの列で披露されました!

人力車に乗って、円覚寺管長、江島神社宮司、洪鐘祭実行委員長もパレードの列に。

▲円覚寺管長の人力車を引くのは、鎌倉で一番最初に観光人力車を始めた有風亭の車夫 青木さん。

掛け声とともに、洪鐘弁財天を乗せた八雲大神輿がやって来ます!「えっさ」「ほいさ」!「えっさ」「ほいさ」!の掛け声とともに大迫力。

▲八雲大神輿。

面掛行列もやって来ました。山ノ内の八雲神社に所蔵されている、江戸時代の貴重な面のレプリカをまとった行列。現在は鎌倉の御霊神社に奇祭として伝わってますが、かつては山ノ内でも行われていたそうです。
天狗、爺、猿、鳥天狗、布袋、おかめ、とりすけの7人がお面をつけて行列します。

▲おかめは妊婦姿でおなかを触らせてくれます!

お祭りの主役、洪鐘張子。本物の洪鐘は大きくて重すぎるので、張子を作ってパレードする記録が残っているとか。

▲山ノ内の皆さんの手作りで、本物そっくり!

子どもたちもたくさん参加しており、手作り衣装の、鎧隊の男子たちと洪鐘ドレスの女子たちも。

▲とても上手に作られてる衣装で、みんな元気でした!

終了の儀

円覚寺の境内に入ると、洪鐘と八雲大神輿が勇壮に入ってきて、終了の儀へ。
お寺の中で、お神輿から神様の依り代を本殿にもどされる御霊うつしが、神職の方によってなされました。

▲洪鐘を運ぶ皆さんを江島神社の神職の方が、見守ります。

▲お神輿が山門を通り入って来ます。

▲お神輿にのった神様が戻る、神社なら宮入れという場面。大迫力。

お神輿にのった洪鐘弁財天の御霊が円覚寺に帰られまして、終了の儀が行われました。
江島神社の神事の後に、円覚寺の読経が響き、神仏両方の儀式が共同で行われるものでした。

▲終了の儀の様子

祭りが終わった後の円覚寺管長と江島神社宮司のインタビューでは、円覚寺管長からはパレードについて「中心がないのに周りが盛り上がっている。これが祭の姿なのかと感銘を受けた」とお話しされ、江島神社宮司からは、「地元の小学生、お子さんなどが多数参加して、お稚児さんも多数参加し、これから60年後を見据えて、60年後に掘り起こして、再現してくれればとつくづく思います」と、地元の人たちが総出で作り上げたお祭りへの感銘と感謝の意を述べられました。
最後に、円覚寺管長からは「60年にいっぺんというのは大変だけれど、記録が残らないので自分たちで工夫する。創意工夫がみんなが一つにまとまっていくこととになり、60年に一度ということに意味があるのかなと」話されておりました。実行委員のそれぞれの方々も、準備は大変だったけれど楽しかったと、顔を輝かせておりました。

経験者がほとんどいない、記録もあまりないというところから、多くの方々が携わり作り上げたというお祭りを見ることができた私たちも幸運ですね。

次は60年後ということもあり冥途の土産に・・・や、次は見れないから・・・という言葉がそこかしこで聞かれるのがとても印象的で、集まった皆さんはそれぞれに楽しんでおりました。
当日見れなかった方々も、下記リンクボタンからご覧ください!

▲本殿内、お祭後のインタビュー