閑静な邸宅地の一角、鉄の門扉の先に足を踏み入れると、くるりと昔の世界に巻き戻されるような錯覚に。美しい瓦葺きの屋根、歳月に洗われて艶を増した木の床、まるで老舗旅館を訪れたかのような風格ある日本家屋が、鎌倉の山に抱かれるように佇んでいる。
ここ 【鎌倉古今(かまくらここん)】は、築160年以上の建物をフルリノベーションした、1日2組だけの古民家ホテルだ。
閑静な邸宅地の一角、鉄の門扉の先に足を踏み入れると、くるりと昔の世界に巻き戻されるような錯覚に。美しい瓦葺きの屋根、歳月に洗われて艶を増した木の床、まるで老舗旅館を訪れたかのような風格ある日本家屋が、鎌倉の山に抱かれるように佇んでいる。
ここ 【鎌倉古今(かまくらここん)】は、築160年以上の建物をフルリノベーションした、1日2組だけの古民家ホテルだ。
「江戸時代から住み継がれてきた、この稀少な建築を後世に残したい。たくさんの人がこの空間を体感できるよう、宿とレストランという形にしました」 と話す代表の松宮大輔さん。
日本庭園を望む玄関とその奥にあるレストランを中心に、80㎡以上のスイートがふたつ。扉を開けると、すうっと空気が変わる 「蔵メゾネットスイート」 は、明治時代の蔵を改装したもの。大きな窓から景色が楽しめる 「古今メゾネットスイート」 は、広々としたリビングもあり、別荘で暮らすように過ごせそう。古いガラスが表情豊かな格子戸、太い梁に畳の香り。趣深い和の風情がありつつ、なぜか重さを感じさせない。
「現代の女性作家の掛け軸や、京都の唐紙のふすまなど、この空間に合うモダンな和を組み合わせました」と松宮さん。
ミルクのような微細な泡が体を包むマイクロバブルバスは、掛け流し温泉のようにいつでも湯で満たされていて、アロマや空調など設備は最先端。古今東西のバランスが絶妙で、今と昔を行き来しているみたい。木のぬくもりと古いだけの宿にはない快適さ、過ごすほどに身も心も穏やかにゆるんでいく。
なにより贅沢なのは、星の降る音が聞こえてきそうなほどの心地よい静けさ。昼のにぎやかな鎌倉も楽しいけれど、古都鎌倉を感じるのは、 こんな夜のしじまなのかもしれない。
離れがたいほど気持ちのいいふかふかのベッドで熟睡した朝は、早起きしてさんぽに出かけよう。竹の庭の報国寺に八幡様も徒歩圏内。人の少ない朝露に濡れた神域の、朝のすがすがしい空気をいっぱいに吸い込んで。
さんぽから帰ったら、古民家レストランとして話題を集める【Restaurant COCON(レストラン ココン)】で朝ごはんを。滋味あふれる薬草茶からスタートし、釜炊きのご飯、鎌倉野菜たっぷりの味噌汁、神奈川産の干物や豆腐などを堪能できる。
日帰りでは出会えない鎌倉の奥深い魅力を体感できる古民家の宿。一歩先の鎌倉を知る、旅の醍醐味が詰まっている。