江ノ電和田塚駅から歩いて5分ほど。由比ガ浜大通りの花見煎餅吾妻屋の隣にあるのが、ベーカリーカフェSieppo(シエッポ)。自家製酵母を使い、長時間かけてゆっくり発酵させた生地でつくるパンやベーグル、ワッフルの販売と喫茶メニューが人気のお店です。
店主の澤さんが北鎌倉の古民家カフェで自家製酵母のパンの販売を始めたのが2016年。その後、笹目町の住宅街に「酵母パン 鳥と木」を開店し、さらに2021年12月には由比ガ浜大通りに場所を移して、ベーカリーカフェSieppoをオープンされました。
澤さんがパンに興味を持ったきっかけは、20年ほど前の天然酵母や自家製酵母との出会いでした。一度発酵すると腐敗しない生命力の強さ。そして、旨味がたっぷりとあり、素材の良さも生かしてくれる。そんな力強く美味しい酵母に魅了されたそうです。また、仕事や旅行で訪れたヨーロッパで地元の食材や料理と出会ったことで、パンや料理を自分でつくって、たくさんの人に食べてもらいたいという思いが強くなり、パン教室での研修、ベーグルショップのアルバイトを経て、パンづくりの道を歩むことに。
Sieppoのパンの材料は国産小麦、天然塩、オーガニックシュガー、自然栽培米、自然栽培米の酒粕でつくる酵母。店主の澤さんがパンづくりで心がけていることは「身体と心が喜ぶもの。自然との繋がりで生かされていることを忘れずに。シンプルです。」とのこと。酒粕から酵母をつくり、ゆっくり発酵させた生地を使ってパンを焼くという作業は仕込みに丸2日かかるので、週3日の営業が精一杯。営業日には、澤さんがパンの販売から喫茶のフード、ドリンクまで一人で切り盛りされています。(営業日やパンの種類は随時更新される公式インスタグラムにてご確認ください。)
喫茶のフードメニューにはスープとパンのセットやベーグルサンドのような軽食、酵母ワッフルプレートなどのスイーツがあり、その時々につくりたいものを週替わりでつくっているそうです。もちろん、使われる素材は店主澤さんの感性と経験でセレクトした自然栽培の野菜や有機食品が中心で、「意識せずとも身体にいいもの、ナチュラルなものを選んでいます」とのこと。
Sieppoのコーヒーは2杯分の珈琲豆を使用して、ドリップ液を1/3だけ抽出し、そこにお湯を差して濃度を調整する淹れ方。コーヒー本来の濃厚で薫り高い成分のみを抽出し、(ドリップ後半で抽出される)雑味をカットするためだそうです。なるほど、コクと香りがありながらすっきり透明感のあるお味でした。
「パンもフードメニューもお客様の笑顔と皆さまへの感謝の気持ちを心に思いながら、つくっています。そして、コーヒーやお茶はお客様と対話するような、つながりを持つイメージで淹れています。お客様が笑顔になって、少しでも幸せでホッとできる時間があって。そこに触れられる瞬間が嬉しく有難いと思います」と澤さん。以前のお店からずっと御贔屓にしているお客様が多いのは、優しく、包容力があり、そして力強い天然酵母のような澤さんが醸し出す雰囲気のせいかもしれませんね。
取材 ALOHAS
※価格はすべて税込みです。
※営業日については公式インスタグラムにて最新の情報をご確認ください。
※掲載情報は取材日時点(2023年1月)のものです。