#逸品産品(いっぴんさんぴん)⑥

地域で生まれ育てられた食品や雑貨のご紹介【味の古久家】

溢れる旨味と藤沢愛。藤沢の町中華文化を牽引し続ける老舗の餃子(味の古久家)

藤沢駅から徒歩1分。ダイアモンドビル地下1階にある味の古久家 藤沢店

創業は昭和22年、戦後間もない藤沢で和菓子店からスタートし昭和30年代から中華料理も手がけていた古久家(こくや)。その後、高度成長期の終盤、昭和46年に和菓子店を辞め「庶民の味として手軽に家族で楽しめる食事を」と、中華料理専門店なったそうです。以来、半世紀を超え藤沢でラーメンや餃子などを中心に提供し続けています。

長年お店に通う常連さんから支持を受けるのが50年以上のロングセラー「焼餃子」。「野菜が多く、もたれなくて食べやすい」と、語る常連さんが多いそう。お店を切り盛りする長町店長も「餃子だけ食べにくる常連さんもいるほど。持帰りも人気で週末は平日の1.5倍ほど持帰りの餃子が売れます」。

職歴20年超の職人さんも多く、見事な手さばきで餃子が包まれていきます

「味の古久家 藤沢店」だけで日に1,400粒ほど売れる餃子を毎朝ベテランの職人さん複数名で仕込んでいます。皮の中の種はキャベツ、豚肉のほかに玉ねぎや生姜、ニラ、ニンニクなど。キャベツと玉ねぎの甘さを引き立てる生姜やニンニクのバランスが絶妙で食べやすく飽きない美味しさ。ちょうどいい大きさで、子供から大人までファンがいるのも頷けます。

自宅でも古久家の味を楽しみたいと開店と同時にお客さんが次々に来店

特製生めんや焼きそば用蒸めんも販売。食べ応えのある太めの麺が家でも楽しめます

「味の古久家 藤沢店」は藤沢駅隣のダイアモンドビル地下1階。店頭入り口の持帰り品販売コーナーでは、餃子の他にも春巻き、焼売や叉焼などの点心や総菜の他に自店で使用する生麺やタレやドレッシングなど食材も販売しています。

定番メニュー以外にも、新商品を発見するのも楽しみの一つ。コロナ禍においては休校で打撃を受けた地元の給食向け製パン工場とコラボした「餃子パン」(コッペパンに餃子を挟んだ総菜パン)の販売も大きな話題になりました。

お家の食卓の一品として一番人気の焼餃子。持ち帰ってすぐに食べれるのが嬉しい

熱々の焼き立てを自宅で楽しみたい方向けの「生餃子」もリピーターの多い定番品。「おいしい餃子の焼き方」(手順を説明するしおり)が付いています。「手順の中でもしっかりと焼き色を付けるために多めの油を使うことがポイントです。また保存料が入っていないので期限内に召しあがれない場合は、密封して冷凍保存してください」とのこと。

持帰り用に保冷剤も合わせて販売。一度保冷剤を購入し次回店頭へ持参すると、無料で冷えた保冷剤と交換してくださるそうです(お客様から回収した保冷材は消毒の上、再利用)。資材を無駄にしない姿勢、お店とお客さんとで資材を循環する仕組みが素敵ですね。

歴史を感じる昭和感いっぱいの店内。ピーク時間にはこの客席が満席に!

もちろん持帰りだけでなく店内での食事もおすすめです。高い天井と映画セットのような設え。ノスタルジックな想いを感じてしまう空間に「懐かしい思い出と一緒に食事が楽しめる」という常連さんが多いとか。令和の時代においては、もはや文化財レベルです。

「ラーメンは庶民の食べ物」先代社長の言葉を守り続けています

店内から見える広い厨房には大きな中華鍋を振るう料理人たちが何人もいて、湯気と活気で溢れています。王道のラーメンからはじまり、神奈川ご当地メニュー「サンマーメン」など各種麺類を中心にチャーハンや餃子などの点心などが次々と調理されお客様のもとへ運ばれてゆきます。

先代社長の「ラーメンは庶民の食べ物」という考えのもと、現在も良心的な価格設定で市井の人々の胃袋と心を満たしています。

お店のあるダイアモンドビルやフジサワ名店ビルなど藤沢駅隣接の往年のビル群は今後建て替えも予定されているそうです。限りあるこの場所での古久家の味、ぜひ体験にお出かけください。

なおこの餃子は、味の古久家藤沢店以外のグループ店舗「古久家」各店、「湘南あっさり豚骨ラーメン 寅そば」各店、餃子製造直売所各店でもお求めいただけます。

取材:ALOHAS
※掲載情報は取材日時点(2022年5月)のものです。