江ノ電一日乗車券のりおりくん+大河ドラマ館入場券セットで訪ねる江の島・鎌倉 vol.1

大河ドラマ「鎌倉殿の十三人」の背景をより深く知るためのポイントをシリーズでご紹介!

Vol.1では「鎌倉の13人」大河ドラマ館に入場した際に渡されるパンフレットを持参された方に限り無料で入場できる鎌倉市内の2つの博物館を紹介します。
なお、2館の入場は大河ドラマ館来館当日だけではなく、大河ドラマ館が開設される期間中に各館1回入場できますので、休館日の場合や、1館ずつ別の日に訪問することもできますので、足を伸ばしてみませんか。

「江ノ電一日乗車券のりおりくん+大河ドラマ館入場券セット」とは?

2022年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の放送も大好評で、鎌倉・江の島エリアも主人公の北条義時ゆかりの地や鶴岡八幡宮境内の鎌倉文華館 鶴岡ミュージアムが、その大河ドラマの世界観が楽しめる大河ドラマ館としてオープンしており、多くのお客様にお越しいただいています。

この「鎌倉殿の13人 大河ドラマ館 」の入場券と江ノ電1日乗車券「のりおりくん」のセットを現在、江ノ電鎌倉駅と藤沢駅にて販売しています。

「のりおりくん」は大河ドラマ館入場券セット限定のデザインとなっており、通常の「のりおりくん」と同様のグッズプレゼントや割引サービスなどの特典も利用できます。

また、ご購入いただいたお客さま先着5,000名さまには日本国内に限った上質なシャツを提供する、鎌倉のローカルブランド「メーカーズシャツ鎌倉」さんより地元貢献事業の一環として、特製「鎌倉シャツオリジナル義時くんハンカチ」をご提供いただくことになりましたので是非お早めにお求めください。

数量限定のハンカチは数十種類あり、どれになるかはお楽しみ!

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【鎌倉国宝館】鎌倉の至宝を守り続ける博物館

「鎌倉殿の13人」大河ドラマ館は、誰もが知る鶴岡八幡宮境内の西側にある鎌倉文華館 鶴岡ミュージアムで開催されていますが、同じ境内の東側に鎌倉国宝館が位置しています。
 
大正 12 年(1923)の関東大震災によって鎌倉の社寺は建物が倒壊するなど甚大な被害を受けてしまい、再建や修復が困難な状況にありました。
 
鎌倉は明治時代に入り横須賀線が開通すると別荘地や保養地として多くの移住者を迎えました。
その中でも日本史の教科書では治外法権の撤廃という不平等条約の一部改正に貢献した外務大臣として登場する、陸奥宗光の長男であり、外交官だった陸奥広吉もその一人です。

大正 4年(1915)に設立され、陸奥広吉が初代理事長を務めていた市民団体「鎌倉同人会」は鎌倉の貴重な文化財を、なんとかまとまっ た形で守ろうということで、鎌倉町(当時は町)に博物館の設立要望書を提出、広く建設資金を募り、三井家や岩崎家からも寄付を得るなどして昭和3年に開館しました。

建物は奈良の東大寺正倉院のような高床校倉造りのデザインになっていますが、関東大震災の経験も踏まえ、地震にも強い鉄筋コンクリート構造で建設され現在まで貴重な文化財を守っています。

館内に入場すると右手側は常設展示スペースとなっており、鎌倉周辺の社寺から保管を依頼された仏像が並んでおり、ガラスケース越しでなく、身近に鑑賞することができるようになっています。

一方、左手側は会期を限った特別展の展示スペースとなっています。

我々が現在これらの貴重な文化財を鑑賞できるのも、陸奥広吉など多くの先人の努力があってこそのものであり、これからは我々が次の世代に引きついていくことは大切ですよね。

校倉造を模した建物が印象的な鎌倉国宝館  ©️鎌倉国宝館

数多くの仏像が陳列された常設展スペース  ©️鎌倉国宝館

【鎌倉歴史文化交流館】歴史好きにも建築好きにもオススメ!

鎌倉の自然に包まれる鎌倉歴史文化交流館

大河ドラマ館で入場されたお客さまに渡されるパンフレットを持参すると入場できる博物館の2館目は「鎌倉歴史文化交流館」です。

こちらは「無量寺谷(むりょうじがやつ)」と呼ばれ、源頼朝が伊豆に配流された頃から付き随ってきた安達盛長の子孫たちの邸宅や安達氏とゆかりのある無量寿院があったと伝えられたとされる場所に位置しています。
現在の建物は、世界的な建築家で、アップル社の新社屋を中心とした施設Apple Park(アップル・パーク)のデザインやドイツ国会議事堂の修復工事などを手がけたノーマン・フォスター氏が設立し、現在代表を務めるフォスター+パートナーズであり、個人用住宅「Kamakura House」として設計され、2004年に竣工しました。
その後、2013年鎌倉市がこの建物と土地を取得、展示施設としてリノベーションを行い2017年に鎌倉歴史文化交流館として開館しました。

そのような経緯から展示内容はもとより、建築を鑑賞するのもこちらの博物館ならではの楽しみ方です。

個人用住宅の頃はリビングとして使用された展示スペース

まずは、個人用住宅だった頃には自動車など停めておくガレージとして使われており、現在は受付ロービーとなっている場所から入館しましょう。
 
館内の多くは一つ一つデザインされた人造大理石と、中国のアンティークタイルの床で構成されており、鎌倉の現在までの歴史をパネルや映像を中心に紹介した部屋、鎌倉市内から出土した青磁などの出土品を中心に展示されている部屋、近世以降の鎌倉を紹介した寝室、など歴史好きの方だけではなく、建築好きの方にも見どころがいっぱいあります。

プロジェクションマッピングで学ぶ鎌倉の歴史

展示の中で特におすすめしたいものの一つがこの「ジオラマ・プロジェクションマッピング」です。

よく「頼朝がなぜ鎌倉に幕府を開いたのでしょうか?」との問いに対し、「相模湾に面し、三方が山に囲まれていて防御に優れた天然の要塞のような土地だったから」という模範回答の一つがありますが、なかなかビジュアルでイメージするのは難しいですよね。
そんな時には、こちらの展示をご覧ください。鎌倉の立体地図に動画を投写することで、パネル画像などの静止画像とは異なるアプローチで鎌倉の歴史を4つのテーマで説明してくれるので、大変わかりやすく目からウロコ状態になること間違いなしです。

鎌倉時代へタイムトリップ!

もう一つのおすすめしたい展示がこの「VR(Virtual Reality)」と呼ばれる「仮想現実」体験です。

鎌倉には多くの寺院や屋敷など多くの建物がありましたが度重なる地震や津波などの天災や火災などの影響で鎌倉時代からそのまま残る建築物が残念ながらありません。

建久5年(1194)、源頼朝は奥州攻めの際に亡くなった源義経、藤原泰衡などの武将の弔いのために、現在では二階堂と呼ばれる地に大規模な寺院「永福寺」を建立しました。
しかし、応永12年(1405)に火災に遭った以降は再建されず、跡地は草原と化していました。

長年、草原だった場所は昭和58年(1982)から発掘調査が行われ、現在ではその発掘調査の結果をもとに当時の基壇(建物の土台)庭園の池などが再現され、現在では史跡公園として公開されています。

歴史や建築に詳しい方であれば、この再現された基壇などをみて当時の様子をイメージできるかも知れませんが、初めてご覧になられる方には「???」という状態になってしまいがちです。

そこで平成16年(2004)より、湘南工科大学の長澤・井上研究室のご協力のもと、当時の建物の様子をCG(コンピューターグラフィックス)で再現する作業を行ってきました。
データの改良を行い進化させ、現在ではヘッドディスプレイを利用したVR(バーチャルリアリティー)システムとしてより臨場感あふれるリアルな映像で、誰にでもわかりやすく当時の様子をイメージできるようになりました。

なお、館内に設置されたVRシステムは、安全確保のため推奨年齢が13歳以上、7歳以下は利用不可となっており、最終受付時間は15:40となっておりますのでご注意ください。

【2館共同特別展「北条氏展」】北条義時の活躍した時代とは?

今年の大河ドラマの放送に合わせて、史料や出土物から研究した結果をもとに北条氏に関わる企画展を鎌倉国宝館と共同で特別展「北条氏展」として開催しています。

この特別展は2022年年末までの会期をVol.1「伊豆から鎌倉へ」(開催済み)、Vo.2「鎌倉武士の時代.」(開催中)、Vol.3「北条義時とその時代」、vol.4「北条義時の子どもたち」と、全4回のテーマを設定し公開しますので、北条義時が活躍した鎌倉時代の背景をより深く知る機会になること間違いなしなので是非とも足を伸ばしてみてください。

「北条氏展」Vol.2 鎌倉武士の時代

【2館公式共同YouTube チャンネル】 「かまくらミューズちゃんねる」

今回ご紹介した鎌倉国宝館と鎌倉歴史文化交流館は、2館共同で公式Youtubbeチャンネル「かまくらミューズちゃんねる」を公開しています。

大河ドラマ視聴を機に鎌倉の歴史に興味を持ったビギナーの方をはじめ、改めて基本から知りたいという方にもおすすめですので是非視聴してみてください。

※掲載情報は2022年4月取材日時点のものです。
取材・文・撮影 岡林渉