CUPS kamakuraから見る海

#おはようかまくら④

充実の朝時間を満喫できる鎌倉のカフェ3選

華やかな日中とはひと味違った、静かな時間が流れる鎌倉の朝。まだ人影まばらな神社仏閣にお参りする近所のご年配夫婦や、ゆったりと海に浮かぶカラフルなサーフボード。起き抜けのまちを縫う江ノ電に、朝日がキラキラ輝きます。そんな清々しい空気の中、身も心もリフレッシュできるカフェをご紹介! 週末は、特別な朝時間を過ごしてみませんか。

【BREEZE BIRD CAFE & BAKERY】江ノ電と、庭と、焼きたてパン

2021年7月にオープンした【BREEZE BIRD CAFE & BAKERY(ブリーズバード カフェアンドベーカリー)】は、地元でも話題のお店。まずびっくりするのが、江ノ電・和田塚駅の改札から徒歩“3歩”という立地! 敷地のすぐ横を江ノ電が走るこの距離感は、沿線ならではの面白さです。改札の目の前には表札のついた立派な石門があり、思わずひとこと「お邪魔します......」。築25年の民家をリノベーションしたのだそう。駅前なのに、隠れ家的な雰囲気が満載です。

▲カフェ入口のすぐ横をのんびり走る江ノ電。鎌倉駅からも徒歩12分ほど

▲自然素材を中心としたリノベーションを手がけたのは葉山の「Same Picture Company(セイムピクチャーカンパニー)」。漆喰の壁は地域住民と一緒に、天井はスタッフでDIY塗装したというユニークな店づくりも話題に

店頭に並ぶのは、酵母から水分量、発酵までこだわって作る焼きたてパン。モーニングメニューでは、好きなパンにサラダやスープ、デザート、ドリンクを組み合わせて楽しむことができます。今回はチーズのモチャバッタ、鎌倉山リュスティックベリー、ふわパンをチョイス。3種のパンの食べ比べなんて、贅沢な楽しみです!

▲店頭にはカンパーニュ、リュスティック、フォカッチャ、カレーパンなど、10種ほどのパンが並ぶ。どれにしようか迷ってしまうバラエティの豊かさが嬉しいですね 

その他に、シェフおすすめのモーニングサラダとカフェラテをオーダー。目にも華やかなサラダは、惣菜やカルパッチョなど5種ほどのデリが載っておりボリューム満点です。ドレッシングやお皿の周りのソースも控えめで、厳選された食材の個性を邪魔しないように配慮されています。【BREEZE BIRD CAFE & BAKERY】のモットーでもある、素材そのものを楽しんでほしいという思いが込められています。

▲鎌倉のレンバイ、三浦や横須賀から仕入れた野菜と旬魚のサラダはワンコインとは思えぬひと皿。日頃の野菜不足も解消できそう

▲「イートイン限定のクロックムッシューも検討しているので、お楽しみに」とシェフの片岡聖斗さん

奥にある庭には、ウッドデッキのテラス席も。鳥のさえずりを聞きながら、ひと口ごとの味わいを大切に、のんびりと過ごしてみてはいかがでしょうか。

▲テラスのソファー席はリラックスするのにぴったり。デートでも子ども連れでも、シーンを選ばず使える空間(ペットも可)

【FOODSTAND magali】ひとりでも気軽に過ごせるフードスタンド

朝から気の向くままひとりでプチトリップしてみるのも、通な楽しみ方。まずは鎌倉駅近くで腹ごしらえ、そんな時こそ目指すは朝7時から営業している【FOODSTAND magali(フードスタンド マガリ)】。カウンター席を中心にしたフードスタンドはひとりで気軽に訪れるお客さんが多く、サードプレイスとして愛される存在。

▲鎌倉駅から徒歩3分、大きな窓が心地よいカフェ&デリ。晴れた日のウッドデッキは特等席

▲店主の吉田将崇さん・みどりさん。店名の「magali」は、以前小町で間借りして飲食店を営んでいたことが由来

2016年に御成町に店を構えてから6年、「ちょうどいいなぁと感じてもらえる空間と食事」を提供し続けてきました。将崇さんが「ペストリーやサンドイッチを片手に気軽に過ごす、アメリカのコーヒーショップみたいなイメージで作ったんです」と言うと、「そうそう、レストランというより、日常的に使ってほしくて」と、みどりさんも頷きます。とはいえ、フレンチレストランで修行したみどりさんの料理は、カジュアルな中にも本格的な味わい。モーニングメニューの人気者、アボカドトーストを手際よく作り始めると、店内はベーコンや目玉焼きを焼く音や食欲をそそる香りに包まれます。これぞ小さな店ならではの臨場感と楽しさ。

▲アボカドトーストに使われているのは、鎌倉の老舗パン店【利々庵(りりあん)】のカンパーニュ。アボカド、ベーコン、目玉焼きの最強タッグにチリパウダーが良いアクセント

▲自家製のサワードゥートーストやホットドッグ、季節のスープ、パン、野菜のデリのセットなど、6種ほどのモーニングメニューが揃う。店頭の作りたてのペストリーも見逃せない

壁際のグローサリーコーナーに並ぶ、美味しそうなジャムやジュースも気になります。「お客様にご紹介いたいて気になったものや、出身地の喜界島の食材を取り扱っています。自家製ドレッシングの販売も計画中ですよ」と、教えてもらいました。

カウンター席は会話も自然と生まれやすく、「今日、これからどこへ行こうかな......」と観光の相談をされることもあるのだとか。ちょっとした会話を楽しんだり、ひとり静かに考え事をしたり、ほどよい距離感が居心地よさの秘密かもしれません。

▲コーヒーの香りに包まれ、席からラテアートをのんびり眺める。思い思いの時間が流れる店内

カフェを出る頃には、居心地の良い自分だけの“基地”を見つけたような気持ちに。鎌倉を訪れる度、立ち寄りたくなる場所を発見できました。

【CUPS kamakura】潮風を感じながらヘルシーフードを楽しむ

オーシャンビューのカフェタイムも、江ノ電さんぽの楽しみのひとつ。長谷駅から海へ向かって徒歩約4分、フォトジェニックな可愛い三角屋根のカフェ【CUPS kamakura(カップス カマクラ)】が見えてきました。目の前に広がる由比ガ浜を一望できる、とっておきのシチュエーション。なんとも言えぬ解放感に、身も心ものびのびします。

▲2020年7月オープン、海辺のさんぽの前のエネルギーチャージにぴったり。2階には1日1組貸し切りの絶景ゲストハウス【the lounge HASE&CUPS】も併設

▲もとは築50年の喫茶店を再生。古い梁を活かしながらサンディエゴの海辺の町をイメージしたリノベーションは、MUSEデザインアワード銀賞なども受賞

【CUPS kamakura】の名物は、オーガニック素材で作るグルテンフリー、ギルトフリーのカップケーキ。定番のプレーン、スイーツ系の他、珍しいお食事系のカップケーキも! 手のひらサイズのカップケーキは見た目もキュートで、あれこれ頼んでしまいたくなります。せっかくなので、カップケーキ3個のドリンクセットをお願いしてみました。

▲ショーケースには、定番と季節ごとのカップケーキが10種類ほどそろう。トッピング無しのタイプはテイクアウトやお土産にもおすすめ

▲3種のカップケーキとドリンクセット。手前左よりバナナチョコ、近隣の漁師直売のしらすを使ったしらすアボカド、アップルシナモン。自家製のラズベリーソースを炭酸で割ったドリンクは食感や喉ごしも爽やか

お食事系のカップケーキは米粉の惣菜パンのようで、甘いケーキのイメージを覆す新しいおいしさ! さらにしっかり食事をしたい人には、米粉のピザや米粉・とうもろこし生地のラップサンドもありますよ。

ヘルシーフードのおともは、輝く海の色、波の音。体の声と、心の声にも耳を澄ませて、まあるい優しい気持ちを取り戻す時間に浸れそうです。

▲お店のコンセプトは「GOOD EATS, GOOD SMILES, GOOD LIFE」。思わず記念撮影したくなるキュートなイラストも

▲日がのぼっていく午前中は海の輝きも格別。海も空も、1日として同じ色合いにはならないのだそう

取材・文 二木薫
写真 立原継望

※掲載情報は2022年2月末時点のものであり、変更になることがあります。