#湘南フォトグラファー市川さんに学ぶ①

江の島・鎌倉の風景写真をうまく撮るコツとは?

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江ノ電にコトコト揺られ、日常から少し離れて美しい自然に触れあう時間。心に残る風景を、写真に残してみませんか。湘南をこよなく愛するフォトグラファー市川紀元さんが撮り下ろした風景写真と撮影のバックストーリーを堪能しつつ、プロ直伝のアドバイスを伺ってみましょう!

【鵠沼海岸の朝】富士山を彩る「ビーナスベルト」と「冬のけあらし」

―幻想的な海と富士山が印象的な1枚。市川さん、これはどこでしょうか?

鵠沼海岸ですね、2020年1月の冬の朝、富士山にようやく雪が積もった頃。日の出の10分前くらいに「ビーナスベルト」という大気現象があり、幻想的な色の風景を見ることができました。富士山に向かって日が当たり、ピンクのカーテンがかかったように見えますよね。そこにタイミングよく渡り鳥が飛んでくれて。鵠沼海岸にはよく渡り鳥が来るんですよ。対岸には平塚、さらに丹沢の稜線も重なり、奥行きがある1枚になりました。鎌倉の方から撮ると富士山との間に江の島が入るので、裾野まで収めるなら鵠沼海岸から撮ることが多いですね。

そして、海から立ち上っているのが「けあらし」です。これは、海水温がまだ高い状態で、冷え込んで風が無い日に起きる現象。日本海でよく見ますが、実は湘南でも起きる現象です。でも、遭遇するのはなかなか難しい。今日は絶対出ているだろうと思って行くと駄目だったり、この条件で? という時に出たりして、不確定なところがあります。けあらしの写真を撮るには、運に大いに左右されますね。

マゼンダに染まる富士山とけあらしの海、冬の朝ならではの1枚が撮れたと思います。

湘南フォトグラファーの市川紀元さん。30年近く湘南の波とサーファーを撮り続け、その作品は多くの媒体で目にすることができる。近年は写真教室を主宰するなど湘南を中心に精力的に活動し、江ノ電のオフィシャルカメラマンも務める

すぐ実践したくなる豆知識!「朝の風景写真」を撮るなら

―朝におすすめのフォトスポットはどこでしょうか。

冬なら、江ノ電の「鎌倉高校前駅」がおすすめです。江ノ電に、朝日が当たる構図が撮れますよ。

10月中旬から2月中旬くらいまでは、鎌倉に向かって右手側の海から日が昇るので車両の側面に光が当たります。逆に、その時期が過ぎると山側から日が昇るので車両の側面が陰になってしまいます。夏至と冬至の間で少しずつ太陽の昇る位置が変わってきますからね。

―朝の風景写真のコツを教えてもらえますか?

太陽光が行き渡るまでは光量が少なく、案外暗い。感度を上げて、手ブレに注意しましょう。固定できる場所にカメラを載せて撮影するのもいいと思います。

冒頭の写真を撮った時は、日の出の15分前くらいに鵠沼海岸に着いて待機していました。僕は、いつもコーヒーを淹れてポットで持って行くんです。温まるし、飲みながらゆっくり待っているのもいい時間になりますよ。

―市川さん、ありがとうございました! みなさんも、冬の朝の江の島・鎌倉ならではの朝日に輝く幻想的な写真を撮影しに来てみてはいかがでしょうか。

市川さんのアドバイスまとめ

・ピンクに染まるビーナスベルトを狙うなら、日の出前に待機
・冬のけあらし、運よく遭遇したらシャッターチャンス
・富士山の裾野まで収めるなら「鵠沼海岸」
・太陽の位置を意識、朝日が当たる江ノ電を撮るなら「鎌倉高校前」
・まだ暗い朝時間は手ブレに注意
・待機する時間も楽しめる工夫を

取材・文 二木薫
写真 市川紀元