新旧問わず多くのベーカリーが軒を連ねる鎌倉には、地元のパン好きだけでなく、遠方からもパン屋さん巡りを目的に訪れる方が増えています。そんな鎌倉にオープンしたのが「製パン雅(みやび)」です。昨夏までは、名古屋市千種区にて営業されていましたが、2024年11月に鎌倉へ移転し、新規オープンされました。開店から数か月にもかかわらず、食事パンからスイーツ系、惣菜パンまで揃う魅力的なラインアップと味わいが早くも評判となり、朝9時半の開店とともにたくさんのお客さまが続々と訪れています。
新旧問わず多くのベーカリーが軒を連ねる鎌倉には、地元のパン好きだけでなく、遠方からもパン屋さん巡りを目的に訪れる方が増えています。そんな鎌倉にオープンしたのが「製パン雅(みやび)」です。昨夏までは、名古屋市千種区にて営業されていましたが、2024年11月に鎌倉へ移転し、新規オープンされました。開店から数か月にもかかわらず、食事パンからスイーツ系、惣菜パンまで揃う魅力的なラインアップと味わいが早くも評判となり、朝9時半の開店とともにたくさんのお客さまが続々と訪れています。
▲由比ヶ浜駅から歩いて4分ほど。ウォームグレーの壁と木製ドアがスタイリッシュな外観はまるでモダンな雑貨屋さんのようです。入口横にはお客さま用のベンチが設置されています
▲入口のガラス戸越しに光が入り、木目をいかした什器にぬくもりを感じます。ショーケースには様々な種類のパンが整列し、横のカウンターには食パンが置かれています。広々とした奥の工房の様子も見ることができます
▲日によって内容は変化するそうですが、平均して毎日40種類ものパンが並びます
商品のラインアップは、食事系(食パン、トースト、クロワッサン、全粒粉パン、田舎パン、フォカッチャ他)、スイーツ系(デニッシュ、ドーナッツ、チョコパン、あんぱん他)、惣菜系と多種多様で、選ぶのに迷うほどです。
食事系パンを中心に全体の7割ほどは、湯種(ゆだね)製法で作っているとのこと。熱湯で湯種を起こし、仕込みから焼き上げまで3日間かけることで小麦本来の滋味深い美味しさを引き出しているそうです。
▲ショーケースの上段に並ぶのは名古屋店の頃からの看板商品であるクロワッサンとデニッシュ類です
パン生地に何度も発酵バターを折り込み、多層状に焼き上げるクロワッサンやデニッシュは、職人の力量が問われます。「製パン雅」のクロワッサンは外側がパリッとして、中の層はしっかりと残り、粉の香りを楽しめる逸品。持ち帰った後でもサクサク感はそのまま残り、リベイクするとバターの素晴らしい香りがさらに引き立ちます。厚みがあるデニッシュにはカスタードや季節のフルーツ、ナッツ等がトッピングされており、ザクザクした食感で食べ応えがあります。
▲ハード系のパンとしては、愛知県産小麦粉の香ばしさと甘さのバランスがよい「愛知の小麦(全粒粉100%)」や「有機小麦の田舎パン」、自家製酵母を使ったしっとり食感の高加水パン「パン・ド・ロデブ」などが定番商品です
▲丁寧に仕込み成型され、デッキオーブンで焼かれていきます。朝9時半の開店に向けて早朝からオーブンに火を入れて、焼き始めるそうです
▲ショーケース隣のカウンターには食パン類がずらりと並びます
近隣のお客さまが日々購入されるという食事系パン。中でも店名を冠した「食パン雅」は毎日30本を焼き上げる人気商品で、しっとりと口溶けがよく、優しい甘さが特徴です。また、「食パン潤い」はたっぷり水分を含んだもちもち食感が際立ちます。牛乳、砂糖、卵を使わない「トースト」はシンプルながら、小麦本来の味を堪能できます。食事系パンは、それぞれ個性が違うので、食べ比べてお気に入りを見つけるのもいいですね。
▲ピザマルゲリータをパンで表現した「パン屋のマルゲリータ」、明太フランス、キーマカレーのフォカッチャ、ホットドッグなどの惣菜パンも人気で、開店直後からどんどん売れていきます
▲コンパクトなスペースながら、店内左奥にはカウンターと2脚のスツールが置かれたイートインコーナーも。購入した焼きたてのパンをいただくこともできます(ドリンクの提供はありません)
▲店名の「製パン雅」はオーナーシェフ、雅人さんの名前の一字から。また、「雅という漢字の意味合いを仕事で表現できるような、そんなパン屋でありたい」との想いも含めて名付けられたそうです
▲雅人シェフと奥様の英理さん
オーナーシェフの雅人さんは愛知県のご出身。販売のアルバイトをしていたベーカリーでパン作りに興味を持ったことがきっかけで、パン職人の世界に入ることに。愛知県内のベーカリーで製パン技術を身につけ、軽井沢の名店「ベーカリー&レストラン沢村」で7年間修業。そして、2018年に地元名古屋で念願の店「製パン雅」をオープンします。
お店はクロワッサンやデニッシュの美味しさが評判の人気店となりましたが、シェフの奥様、英理さんの実家がある鎌倉に移転するため、2024年8月に閉店。同年11月から「製パン雅」の第二章が由比ガ浜で始まりました。
オープンから数か月ながら、早くも鎌倉のパン愛好家の間で話題となり、ファンも増えつつあるようです。名古屋店との違いは、食事の供としてバゲットや食パン、ハード系を買い求めるお客さまが多いことだとか。
「強い個性を持ち合わせたパン屋ではありません。老若男女、気軽にお立ち寄りいただける町の美味しいパン屋、地域に根付いた地元密着のパン屋でありたいです」と語る雅人さん。「雅」とは、辞書によると「洗練されて上品な、奥ゆかしい」こと。慎ましい言葉の裏に秘めたシェフのパン作りへの想いと情熱が伝わってくるようです。
長谷や由比ガ浜周辺の散策の折には、しっかりした技術とセンスに裏打ちされた「製パン雅」のパンをお買い求めになってみてはいかがでしょうか?
※掲載情報は2025年2月取材時点のものです。
※掲載している情報が変更になっている可能性がございますので、公式サイト等で最新の情報をご確認ください。