鎌倉駅

報国寺
ホウコクジ

室町時代を託された禅宗の名刹。高僧天岸慧広が修行した御堂跡に広がる竹の庭園

竹寺の別名で知られる報国寺は1334年、仏乗禅師天岸慧広(てんがんえこう)を開山に迎え、創建されました。前年に鎌倉幕府が倒れ、都でも南北朝時代がはじまる直前、時代が大きく動き出そうという時でした。開基は室町幕府を樹立した足利尊氏の祖父、足利家時と宅間谷上杉氏の祖、上杉重兼も関わっていると伝わります。

臨済宗建長寺派、山号は功臣山。ご本尊は、釈迦如来坐像(南北朝時代作)。聖観世音菩薩像も祀られ、鎌倉三十三観音霊場の第10番札所にもなっています。

報国寺 歴史・由緒

▲本堂と迦葉堂(画像提供 報国寺)

鎌倉幕府から室町幕府へと移り行く激動の時代に創建された報国寺。開山の仏乗禅師天岸慧広(1273-1335)は、13歳で無学祖元により得度し、国内で修行を納めた後に、1324年に元へ渡ります。9年間、禅門に励み帰国。鎌倉に戻り、1334年に報国寺開山として招かれました。

報国寺のある場所は、宅間谷(たくまがやつ)と呼ばれ、鎌倉時代から近代まで様々な芸術家が住んでいました。その名の由来でもある、宅間法眼(たくまほうげん)作と伝わる「釈迦如来坐像」がご本尊として祀られています。

寺宝の一つ、「東帰集」(国指定重要文化財)は、天岸慧広直筆と伝わる著書であり、漢詩と散文が納められています。禅宗を通じて、漢詩に長け、五山文学の黎明期を牽引しました。

上杉重兼(しげかね)の叔母が、足利貞氏(さだうじ)に嫁いでおり、その父である家時を弔うために、重兼が創建したとも伝わります。天岸慧広が休耕庵を建て、修行した御堂跡が今の竹の庭といわれています。

報国寺 見どころ・ポイント

▲竹の庭

本堂奥に広がる竹の庭には、美しい孟宗竹約2000本が天に向かってまっすぐに伸びています。季節や天候によっても印象が大きく変わりますが、いつ訪れても竹の持つ力強さと清々しさを感じさせてくれます。本堂横の入口にて拝観料をお納めください。

▲休耕庵(お茶席)

竹の庭を眺めながらお抹茶をいただくことができる半屋外のお茶席。竹の葉が揺れる音、水の流れる音などを聞きながら、丁寧に立てられたお抹茶を味わうことができます。本堂横の入口にてお抹茶代をお納めください。

▲迦葉堂と枯山水(画像提供 報国寺)

竹の庭の先には、創建当時の石庭を再現した枯山水(庭園)と迦葉堂(かしょうどう)があります。周辺にはベンチがあり、石を用いて山と川と表した枯山水の美しい砂紋をゆっくりと眺めることができます。

▲やぐら

境内奥にある岸壁に掘られた横穴式の墳墓。開基・足利家時をはじめとした足利家一族のお墓もあると伝わっています。

▲苔

山門から本堂までの参道付近や竹の庭の周辺には、深い緑色が美しい苔を観賞することもできます。

報国寺 寺宝

・釈迦如来坐像(鎌倉市指定文化財)
・迦葉尊者立像
・聖観音菩薩立像
・鎌倉三十三観音
・普賢菩薩坐像
・東帰集(国指定重要文化財)ほか

報国寺 四季の草花

四季を通して、青々とした竹林を楽しむことができます。
春は梅や桜、初夏には紫陽花や新緑、秋は紅葉、冬は椿などを見ることができます。

▲宝暦7年(1757)に作られた茅葺屋根の鐘楼。報国寺に遺る最古の建造物で、周辺にソメイヨシノが咲きます。(画像提供 報国寺)

▲竹の庭周辺に咲く色とりどりのあじさい(6月ごろ)

▲竹の庭周辺で色づくモミジの葉(11月下旬~12月上旬ごろ)(画像提供 報国寺)

報国寺 御朱印

▲聖観音菩薩様の御朱印(鎌倉三十三観音)

本堂左側にある御朱印所にてお願いすることができます。混雑状況により時間がかかる場合があります。各種御守、御朱印帳などを求めることができます。

報国寺 設備紹介

▲境内入口の先、本堂へ至る参道の左側に公衆トイレがあります(画像提供 報国寺)

・駐輪場 あり
・駐車場 あり
・公衆トイレ あり
・車いす用スロープ あり(枯山水まではアクセス可。竹の庭、休耕庵へはアクセスできません。)

掲載記事

概要

※掲載している情報が変更になっている可能性がございますので、公式サイト等で最新の情報をご確認ください。

店舗名
報国寺
ホウコクジ
住所
〒248-0003 鎌倉市浄明寺2-7-4
TEL
0467-22-0762
アクセス
鎌倉駅(東口)から徒歩28分
鎌倉駅(東口)からバス8分「浄明寺」下車~徒歩2分
営業/拝観時間
【拝観】9:00-16:00
【抹茶】9:00-15:30 ※混雑時は抹茶の受付を一時停止する場合がございます
定休日
年末年始(12/29~1/3)
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