江ノ島駅

TOBY SAUCE
トビーソース

具材もパンも手作り!江ノ島入口で味わう本格キューバサンドの専門店

世代を問わず手軽なファストフードとしてここ数年人気を集めるのは、和のおにぎり(おむすび)と洋のサンドイッチ。ここ江の島や鎌倉エリアにも幾つもの人気店があり、ランチはもちろん手軽な軽食として支持されています。中でもサンドイッチは、オーソドックスなパン屋さんはもちろんのこと、生ハムが売りのイタリアン系から季節の果物と生クリームがたっぷり入ったフルーツ系まで幅広いジャンルで多様化が進んでいます。そんな中、キューバサンドの専門店が江ノ島駅からほど近い「すばな通り」に開店しました!湘南エリアではまだまだ珍しいキューバサンドをご紹介します。

▲江ノ電「江ノ島駅」改札から江の島へ続く「すばな通り」に開店した「TOBY SAUCE」。ポップにペイントされた外観が目を引きます!

江戸時代には伊勢原の大山と並び、多くの庶民が関東一円から参拝に訪れた江島神社。その参道「すばな通り」は、今も変わらず朝から夕方まで多くの観光客が行き交います。古くからの食堂や老舗の和菓子屋さんもあれば、趣向を凝らしたユニークなお店も多く、江の島へ渡る前から観光気分も盛り上がります!

そんな歴史ある通りに2024年5月5日こどもの日にオープンしたのが、キューバサンドの専門店「TOBY SAUCE」。小田急線「鵠沼海岸駅」近くのタコス専門店「PARA MEXICO(パラ メヒコ)」の姉妹店です。

▲お店の中は注文用カウンターとスタンドテーブルが二つ。多くのお客さまが持ち帰りでオーダーされるそう

キューバサンドと言えば、映画「シェフ 三ツ星フードトラック始めました(原題 CHEF)」を思い出すという方も多いのではないでしょうか。苦難からの成長や仲間や親子の絆を描く王道のストーリー展開もさることながら、シズル感のある調理シーンとラテン系の音楽も楽しめるという素晴らしい作品でした。

劇中、主人公のジョン・ファヴローがキューバサンドと出会うのは、キューバではなくフロリダ州マイアミでした。諸説あるそうですが、キューバサンドは、キューバからの移住者が多いフロリダで認知され、広まったと言われています。特徴は、ハムやチーズなどの具材をサンドしてから、バターをたっぷり塗ってプレスしながらパンを焼き上げること。

▲毎日焼き上げるキューバサンド用の自家製パン「キューバンブレッド」。北海道産の小麦粉を使用しているそう

お店を切り盛りするのは、地元出身の若き料理人、八巻さん。タコスなどメキシコ料理の人気店となったPARA MEXICOがひと段落し、2店舗目のメニューに選んだのが、思い入れのあるキューバサンドでした。

「もともとフレンチのお店で調理をしていましたが、映画CHEFの楽しそうな様子を見て、自分もやってみたくなって・・」と、八巻さん。コロナ禍をひとつのきっかけに、勤めていたお店を辞め、2021年から2022年にかけてはお父さんに手伝ってもらいながら、ほぼ自作したというフードトラックでキューバサンドを販売していたという、映画さながらの経歴をお持ちとのこと。その行動力、カッコいいです。

▲柑橘系ソースとハーブやスパイスと一緒に低温調理で仕上げる「モホローストポーク」はキューバサンドに欠かせない主役の具材

その後、オーナーとの出会いをきっかけに、仲間たちとDIYで内装を整えて、鵠沼海岸にPARA MEXICOをオープン。現在は2店舗をマネジメントしながら、「TOBY SAUCE」ではキューバサンド作りもこなされています。

「提供する料理はPARA MEXICOとTOBY SAUCEで違いますが、安心安全で美味い“ジャンクフード”を提供したいという想いは共通しています。ジャンクなのに安心ってイイですよね」と、八巻さん。

「うちのCubano(キューバサンドのこと)は、チーズ以外は全て店内製造。パンはもちろんローストポークやベーコン、ピクルスやマスタードソースまで添加物や化学調味料を使わずに手作りしています」とのこと。

▲仕込みされた具材を自家製のキューバンブレッドに並べているところ。丁寧な仕事が伺えます

TOBY SAUCEのキューバサンドの具材は、「モホローストポーク」と豚バラ肉を原料に4日間かけて作る「スモークベーコン」を中心に、酸味の効いた胡瓜のピクルスとチーズ、そしてオリジナルレシピのマスタードソース。チーズ以外は全て店内製造の自家製というから驚きです。これだけ手の込んだ具材をパンで挟んだだけでも美味しいはずですが、さらに焼いて仕上げるとは。ずいぶん手間と時間をかけたサンドイッチということが分ります。

▲プレートにバターを塗り、上のパンにもたっぷりとバターを塗る八巻さん。軽くプレスしながら200℃のプレートでじっくりとパンの表面を焼き上げます

▲焼きあがったサンドイッチをさらに縦に半分にカットして出来上がり!熱々をいただきましょう

ほどよい圧でプレスしながら焼き上げます。パン生地がきつね色に、中に挟んだチーズが溶け出す頃合いが完成のタイミング。店内のスタンディングテーブルで頂くこともできますが、テイクアウトで利用されるお客さまも多いそう。

「2階のオーシャンデッキを食事と休憩スペースとして提供している新江ノ島水族館さんや、江の島島内の公園でCubano楽しまれる方も多いようです。」

▲「Cubano Box Set」には、Cubanoの他にタルタルソースたっぷりのスモークポテトとピクルス2種が入ったランチボックス仕様。ほどよい焼き加減のキューバンブレッドの表面が美味しそう!

Cubanoは「Cubano Box Set」での提供のほかに、Cubano単品でも販売されています。オーダーしてから組み立て、焼きあげるため、少し待ち時間が必要です。

灼熱のキューバやフロリダの地で育まれたキューバサンドは、ビールとの相性も抜群。鎌倉のクラフトビールブランド「ヨロッコビール」をはじめModeroやTECATEなどメキシコのビールも取り揃えています。ビールを飲みながら、キューバサンドの焼き上がりを待ってみてはいかがでしょうか。

▲お店のもう一つの人気メニューは小さなドーナッツの「ベニエ」。国産小麦を使った生地をしっかりと発酵させ、揚げたてを提供

ひと口サイズの揚げドーナッツ「ベニエ」。こちらも映画CHEFに登場する一品。こんがりと上がった小さなドーナッツに粉糖の白色が映えます。TOBY SAUCEでは、今後ドーナッツの商品展開も増やす予定があるそうで、そちらも楽しみです。

▲映画CHEFの主役であるジョン・ファヴローの名台詞「料理でみんなをちょっと幸せにできるし、だから料理が好きなんだ」を、地でいく八巻さん。フレンチのお店などで修行した腕を活かし、真面目な調理で安定した味を提供されています

市販の材料を使うことによって得られる効率を追わず、丁寧に具材やパンも手作りをする姿勢が素敵です。観光の方だけでなく、最近は地域の方のリピーターも増え、徐々に安心して愉しむことが出来る八巻さんの「ジャンクフード」が近隣の人々に根付きはじめたようです。

▲江の島や鎌倉周辺の海辺など屋外で食べる時には、鳶にご注意ください。そしてゴミは持ち帰りましょう!

キューバサンドは焼き立て、熱々のうちにいただきましょう。たっぷりバターが染み込んだキューバンブレッドの表面は、想像以上にカリッとした食感!たっぷりの具材ながら、こぼれにくく食べやすいのも嬉しいです。

ジューシーなローストポークとベーコンからの異なる肉の旨味、チーズのコクと塩味、さらにピクルスの酸味とマスタードの香りが加わって、しばし悶絶。パンチがあるのに、どこか優しい味付けは八巻さんの人柄かもしれません。映画で主人公が放った「EMPINGAO(エンピンガーオ)!」(スペイン語で最高や絶品という意味)という台詞を思い出してしまいます。オリジナルのタルタルソースがたっぷりのったスモークポテトやビネガーが効いたピクルスの付け合わせもCubanoとの相性が抜群です。

関東エリアでもまだまだ珍しいキューバサンド。東洋のマイアミビーチを標榜し、フロリダ州マイアミビーチ市と姉妹友好都市提携を結ぶ藤沢市、江の島へお越しの際には、本格的ながらも、ジャンクではない手作りのCubanoを味わいにTOBY SAUCEへお立ち寄りください。

※掲載情報は2024年8月取材時点のものです。

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概要

※掲載している情報が変更になっている可能性がございますので、公式サイト等で最新の情報をご確認ください。

店舗名
TOBY SAUCE
トビーソース
住所
〒251-0035 藤沢市片瀬海岸1-13-8
TEL
0466-54-7744
アクセス
江ノ電「江ノ島駅」から徒歩3分 小田急「片瀬江ノ島駅」から徒歩5分
営業/拝観時間
11:00-18:00
定休日
月曜 (祝日の場合は火曜)
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