鎌倉駅東口から小町通りに入ってすぐ、ちょっと昭和な雰囲気が残るビルの2階に店を構えるのが「なると屋+典座」(ナルトヤ プラス テンゾ)。鎌倉野菜を中心に採れたて、旬の食材を使った和定食が人気のお店です。肉、魚、卵を使わず、野菜から出るだしの味を大切にした料理は滋味深く、季節感に溢れたもの。毎月内容が変わる定食を楽しみに通う常連のお客様もたくさんいらっしゃいます。(注:だしは野菜に加え、鰹だしも使用しています。)
鎌倉駅東口から小町通りに入ってすぐ、ちょっと昭和な雰囲気が残るビルの2階に店を構えるのが「なると屋+典座」(ナルトヤ プラス テンゾ)。鎌倉野菜を中心に採れたて、旬の食材を使った和定食が人気のお店です。肉、魚、卵を使わず、野菜から出るだしの味を大切にした料理は滋味深く、季節感に溢れたもの。毎月内容が変わる定食を楽しみに通う常連のお客様もたくさんいらっしゃいます。(注:だしは野菜に加え、鰹だしも使用しています。)
▲小町通りに面したビル入口の壁に大きな「なると屋+典座」の看板。この階段を2階に上ります
▲階段を上って左側が「なると屋+典座」。落ち着いた濃紺の壁に引き戸のある入口が和の趣です
▲少し照明を落とした店内は小町通りの喧騒が嘘のように静かでゆったりとした時間が流れています
▲コンクリートの天井と木の素材を使ったインテリアが見事にマッチしている和モダンな空間。テーブル席とカウンター席があり、どこからも厨房の様子がよく見えます
▲窓側の右奥には半個室の掘りごたつ席があり、家族連れのお客様もゆったりと食事が楽しめます
▲食事メニューは昼も夜も、「葛とじうどん」「葛とじうどん+惣菜三品」「今月のごはん」の3種類。デザートは「寒天と和三盆のデザート」のみ
▲旬の食材を使い月ごとに内容が変わる「今月のごはん」は先付、ごはん、汁物、鉢、小鉢、漬物の6品という内容
一汁三菜をベースにした定食「今月のごはん」。例えば、2月の献立はこのような内容です。先付は定番の胡麻豆腐。醤油で炊いたごはんには菜の花とほうれん草をトッピング。刻んだ白菜と蕗の薹(ふきのとう)を葛でとじた汁物は甘み、苦みが冬から春への季節の移り変わりを感じさせます。鉢物は大根と車麩を酒粕で煮てあり、素揚げしたウドがいいアクセントに。小鉢にはブロッコリーの上にトマトと見間違う鮮やかな金時人参のピュレ。人参の甘さが際立ちます。そして、新物のたくあんと梅干。丁寧に調理された野菜料理が趣のある器に美しく盛られ、日本ならではの季節感を表現しています。
▲毎朝、手づくりしているという胡麻豆腐。滑らか、もっちりとした食感で山葵が胡麻の香りを引き立てています。「毎月のごはん」の先付として定番の一品です
▲濃厚なだしの葛餡が柔らかめのうどんと具によくからむ葛とじうどん
葛とじうどんには大根、椎茸、がんもどき、湯葉、水菜、海苔といった具がたっぷり。生姜の風味が効いただしがうどんや具によくしみて、食べ応えのある一品です。惣菜三品が付いたセットでも注文が可能です。
▲レジ横に置かれた旬の野菜。2月は冬に美味しい京野菜の「丸大根(聖護院大根)」
野菜はレンバイ(鎌倉市農協連即売所)の鎌倉野菜を中心に、信頼のおける目利きの八百屋さんから仕入れており、「産地のこだわりは特にありません」と店主のイチカワヨウスケさん。その季節で一番美味しい旬の野菜をシンプルに、なるべく少ない調味料で調理し、その旨味を引き出しているそうです。
▲テングサで作ったプルンとした食感の寒天に和三盆の蜜がかかった「寒天と和三盆のデザート」。食事の余韻を消さないように、上品な甘さでサラッと口をすすぐ感覚で食べていただきたいデザートだそうです
▲無駄のない動きで厨房に立つ店主のイチカワヨウスケさん
店主のイチカワヨウスケさんは調理師学校を卒業後、京都の高級料亭で3年修業。鎌倉のカフェ勤務を経て、自分の料理人としての道を見つめ直し、野菜を肉や魚の添え物ではなくメインにした料理に向き合うことになります。
そして、鎌倉や葉山の先輩、友人からのご縁がつながり、2004年小町通りに「なると屋+典座」をオープン。店名は同じ場所で営業していた飲食店「なると屋」の看板を利用し、もともと考えていた名前、典座(てんぞ:禅寺で料理を担当する役職)を加えたものとのこと。
2024年に20周年を迎える「なると屋+典座」。今では、お店の営業のみならず、全国各地で料理教室を開き、料理本の出版やメディアへの露出も多いイチカワさんですが、「料理をしながら学んでいます」と語る真摯な姿勢に、料理を修行の場とする典座の姿がオーバーラップして見えてくるようです。
取材:ALOHAS
※価格はすべて税込みです。
※掲載情報は2024年2月取材時点のものです。
※掲載している情報が変更になっている可能性がございますので、公式サイト等で最新の情報をご確認ください。