参拝客で賑わう鶴岡八幡宮境内の西側には、源頼朝公の邸宅だった大倉(蔵)御所があり、その西側の門に由来する「西御門(にしみかど)」という地名が残っています。付近には有力な御家人たちのお屋敷もあり武家政治の中心的なエリアでした。現在も源頼朝や北条義時のお墓「法華堂跡」の遺跡や荏柄天神社、鎌倉宮、覚園寺などの名所を繋ぐ路地から往時の面影を感じることができます。今は学校や住宅も多いこの西御門の一角に、2023年6月に開店したのが「Nishimikado have cafe」です。
参拝客で賑わう鶴岡八幡宮境内の西側には、源頼朝公の邸宅だった大倉(蔵)御所があり、その西側の門に由来する「西御門(にしみかど)」という地名が残っています。付近には有力な御家人たちのお屋敷もあり武家政治の中心的なエリアでした。現在も源頼朝や北条義時のお墓「法華堂跡」の遺跡や荏柄天神社、鎌倉宮、覚園寺などの名所を繋ぐ路地から往時の面影を感じることができます。今は学校や住宅も多いこの西御門の一角に、2023年6月に開店したのが「Nishimikado have cafe」です。
メニューの説明やオーダーを受ける際のはっきりとしたコミュニケーションに独特の安心感があり、質問をしてみたところ「前職は航空自衛官をしていました。一般企業より早い定年の年齢もあり10年度ほど前から自衛官退職後の夢としてカフェを開くことを考えていました」と、23年春に都内から移住されたばかりのオーナー、鈴木さんが教えてくださいました。
「以前からワンちゃんを飼っていまして、家族の一員であるペットと人が一緒に寛げるお店を作りたかったんです」とのお話通り、お店には愛らしい2匹の看板犬「ハル」ちゃんと「ブー」ちゃんが居て、タイミングが合えばお店に入ってこられるお客さんを出迎えてくれます。
「うちのワンちゃんが焼き芋好きだったこともあり、焼き芋を中心にメニューを作ろうと。サツマイモは千葉県の農家さんから直接仕入れています。」
千葉県香取市で100年以上続く農家さんから取り寄せるのは、「紅はるか」や「紅あずま」などの定番銘柄に加え、話題の新品種「栗かぐや」も。蜜たっぷりしっとり食感から昔ながらのホクホク食感と品種ごとに違う焼き芋の個性を存分に楽しむことができるメニューを提供しています。(もちろん、ペット用メニューの用意もあります!)
日替わりで品種の異なる焼き芋と新鮮な鎌倉野菜のサラダと一緒に楽しめる「壺焼き芋2種」はお店の看板メニュー。2つのお芋を合わせれば一本分ほどの量となり、お腹もほどよく満たされます。甘いさつまいもに添えられた、鎌倉野菜のサラダも嬉しい一品です。
来店されたお客様からの「ベビーカーで来た人も入りやすいように、入口階段に呼びベルが欲しい」という要望や「食物アレルギーの子でも食べられるお菓子やパンがあったら嬉しい」などの生のお声を大切に、呼びベルはすぐに取り付け、小麦や卵など食物アレルギーの対象になりやすい原料を使わないメニューも複数用意される実行力も流石。こちらの「米粉まるパンサラダ」も小麦アレルギーへの配慮から生まれた一品とのこと。
いわゆるランチ的なメニューは用意が無いものの、厚切りパンのトーストメニューを提供しています。シンプルなバタートーストもありますが、せっかくなら焼き芋の風味も味わえる「厚切サツマイモトースト」や写真の「厚切half & half」がお薦めです。焼き立てのパンの上に、スライスされた焼き芋、さらに蜂蜜と黒ゴマがたっぷり。サツマイモと蜂蜜の自然な甘さがヘルシーです。
主にドリンクを担当されるのは、一緒にお店を運営される金子さん。ハンドドリップで丁寧にコーヒーを淹れ提供しています。何と鈴木さんと金子さんは前職時代の同僚とのこと。「豆を挽き、コーヒーを淹れることも奥が深く、勉強を続け道具を少しずつ揃えて、ようやく美味しいコーヒーを提供できるようになってきました」と謙遜する金子さん。
ウッドフェンスで囲まれ、ひと目を気にせずに過ごせるテラス席は晴れた日の特等席。本を読むもよし、お友達と語らうのもよし、ペットと触れ合うのもよし。余裕のある広さが贅沢ですね。
「最近は、地元のお客さんを中心に観光の方も増えてきました。ベビーカーで幼児と一緒に来店されるご近所のパパさんがいたり、お墓参りの後でペットと一緒に来店されるご家族がいたりと、いろんな方に使ってもらっています。」
ペット用メニューとして「鶏ささみ」や「さつまいもケーキ」「さつまいもボール」を用意。地元の方の散歩途中の休憩のみならず、ペットと一緒に観光を楽しまれる方の利用も徐々に増えているそうです。
お店の開業に向け「愛玩動物飼養管理士」の資格も取得し、お客様と一緒に来店される愛犬などの動物への知識も深めた鈴木さん。10年という長い期間をかけ周到に開店に向け準備を整えた姿勢が地域の方にも安心感を与えているようです。
「前職時代には、災害があった時などには全国の被災地に出向き、地域の人々を支援するようなことも多くありました。そのような状況での仕事を何度も経験したことで、その場にあるモノで何とかしよう、何とかできる、という考え方が身についてしまいました」と、明るく話す姿が清々しくカッコいいです。
息の合うお二人のバイタリティーあふれる明るさ、人だけでなくペットとの関わり方が地域に溶け込み、多くの方を魅了するお店として根付いてゆくことでしょう。西御門周辺の散策の際にはぜひお立ち寄りください。
取材 ALOHAS
※掲載情報は2023年12月取材時点のものです。
※掲載している情報が変更になっている可能性がございますので、公式サイト等で最新の情報をご確認ください。