創業は1828年。200年近く片瀬海岸のこの地で変わらず和菓子屋を営む【上州屋】が2025年8月1日にリニューアルオープン。これを機に、改めてお客様の立場に立ち帰ったと話す8代目店主の新倉さん。伝統の味わいはそのままに、大きさや食感なども見直した新商品を発売しました。
“腰越電車通りを盛り上げたい”という思いを込め、江ノ電沿線の老舗店をイラストにしたパッケージも愛らしい「江ノコロ」は、抹茶と和三盆の素朴な味わいを生かした和菓子屋のクッキーとしてゼロから考案。生菓子の多い中で、日持ちするお土産を作りたいという願いを形にしたそうです。また、長年愛され続けてきた最中は、あんはそのままに皮をリニューアル。腰越の海から眺める江の島と富士山を型取り、よりお客様が手に取りやすく工夫しました。さらに、新倉さんが修行時代の店で大好きだったというお菓子「ソフトバター」をベースに、ライトな口当たりにアレンジした「あんバターライト」など、地元の常連さんにも喜んでいただけることを何より意識して考案したそうです。
▲車と江ノ電が行き交う龍口寺前の交差点で200年近く暖簾を守り続けている老舗和菓子店「上州屋」。店の正面に、急カーブを走行する江ノ電が走り抜けていきます
▲リニューアルオープンを機に誕生した新商品3品。写真上奥は、ほろほろと崩れる優しい口当たりに抹茶和三盆と、和三盆の素朴な味わいのクッキー「江ノコロ」。パッケージの色は、江ノ電の車両カラーであるグリーンとクリーム色。金時豆の蜜煮と白餡を練った自家製あんこがたっぷり詰まった「きんとん最中」と「ぜんざい最中」のあんこはそのままに皮をリニューアルした「富士山と江ノ島もなか」。生地を高温で焼き上げライトな口当たりと程よい塩味がアクセントの「あんバターライト」
▲初代が故郷の上州(群馬県)より持ち込み、現在の場所で「片瀬まんぢう」として売り出したという「片瀬まんじゅう」。もろみ酒の発酵を利用して製造した独特の風味豊かな酒まんじゅうと、黒糖を使いふっくらと蒸し上げた茶まんじゅうの二種
▲日蓮上人龍口法難の故事にならい、6代目が考案したという「難除けぼたもち」は、「片瀬まんじゅう」と並ぶ看板商品。北海道産の小豆を丁寧に炊き上げた自家製漉し餡の中にやわらかい求肥餅を包み込んだもの。一口サイズで食べやすいぼたもちです
▲改築工事のため1年2か月の休業期間を経て、2025年8月1日リニューアルオープン。内装の壁は、江ノ電の車両カラーであるグリーンを模したそう
▲ロゴやパッケージも刷新し、贈答品やお土産に手軽なラインナップも
▲店頭奥の工房で、毎日早朝から一つ一つ手作りされる和菓子は、串だんごや豆大福・すあまといった生菓子や、桜餅・柏餅・栗蒸羊かんなど季節の和菓子など多彩なラインナップ。午前中に売り切れてしまうものもあるので、早めの来店がおすすめです
▲8代目店主の新倉さん夫妻。7代目の両親と共に次世代へと暖簾を繋いでいます