江ノ電「江ノ島駅」、湘南モノレール「湘南江の島駅」から徒歩6分。片瀬の閑静な住宅街の一角に2022年5月にオープンしたのが、ハンバーガーショップBEARFOOT BURGER。バラエティー豊富なグルメバーガーが自慢のお店です。
店主の太田幸平シェフは静岡県出身。実家の寿司店の手伝い、地元の日本料理店での修行のあと、豊橋市のイタリアン、スペイン料理、タイ料理の料理人を経て、東京・中目黒の人気フレンチビストロに勤務。その後、雑貨店に勤めていた瞳さんとの結婚を機に、藤沢に転居し、大好きな湘南で自分の店を持つ夢を叶えました。
今まで仕事としての調理経験がないハンバーガーの専門店を開くことに決めたのは、太田シェフ自身がハンバーガー好きなことに加え、テイクアウトができ、日常的に気軽に立ち寄れる店にしたいという想いから。そして、新しい分野で自分の料理の腕を試してみたかったからだそうです。
店名の「BEARFOOT(bear foot熊の足) BURGER」は、体格の良い太田シェフが熊に似ていること(家族評)、BEARFOOTの文字を並べ替えるとbarefoot=裸足(湘南の海や砂浜のイメージ)になること、そして、憧れの地、米国カリフォルニアの州旗に熊(グリズリー)のイラストが使われていることが名前の由来だとか。
外観と同様、オフホワイトとブルーで統一された店内は施工の下地から壁の塗装、床のワックスがけまですべて太田シェフと瞳夫人によるDIY。近所の商店街の方たちから色々とアドバイスをいただきながら、仕上げたそうです。
熱々のフライドポテトとともにサーブされるハンバーガー。100%ビーフのパティはオージービーフと米国産を使用し、色々な部位をブレンドしているそうです。肉の旨味を残すよう粗目に挽き、練り方も工夫されたパティはボリュームがありながら、さっぱりとして軽い味わいです。
お客様から「パンが美味しいね」とよく言われるという天然酵母のバンズは、都内のベーカリーに特注したもので、ほんのり甘く、もっちりとした食感。外はカリっ、中はフワっというコントラストを強調するために、グリドル(鉄板)で表面を焼いたあと、オーブンでさらに焼くという「ひと手間」をかけているそうです。
ハンバーガーの具材の重ね方はお店によって様々。BEARFOOT BURGERでは、下からレタス、トマト、オニオン、パティ、トッピング(チーズやアボカド、チリソース等)の順で円筒形に重ねています。これは、見た目が美しく、食べやすく、また口中でのバランスの良さを考えた結果だそうです。
確かに、ひと口目からミディアムレアに焼かれたジューシーなパティが他の具材と混ざり合い調和し、最後まで旨味を感じながら食べ進めることができました。お店特製のBBQソースをつけて、途中で「味変」して食べるのもオススメです。
「料理人がつくるハンバーガー」をコンセプトにお店を始めたという太田シェフ。単なるファストフードではなく、自身の多彩な料理経験を活かす舞台としてハンバーガー店を選んだそうです。その太田シェフの真骨頂が、旬の野菜を使ったマンスリーバーガー。お馴染みの野菜のほか、茗荷や実山椒、味噌といった和の食材や調味料を使った独創的な新作バーガーにも挑戦しています。また、季節の果物の酸味、甘みを活かした期間限定のフルーツバーガーも人気です。
オープンしてから1年余りのBEARFOOT BURGER。今では常連のお客様も増え、太田夫妻の柔和な人柄もあり、しっかり地域の人たちに愛される人気店になったようです。
憧れのカリフォルニアには、まだ行ったことがないというお二人ですが、ワクワクしながら新作ハンバーガーを待つたくさんのお客様がいるこの町は、お二人にとって、もう一つの「夢のカリフォルニア」になったのかもしれませんね。
「お客様に何度も足を運んでいただきたい」という開店当初からの想いを胸に、「旨味が足し算ではなく、掛け算になるハンバーガーを目指して」太田シェフの挑戦はこれからも続きます。
取材 ALOHAS
※価格はすべて税込みです。
※掲載情報は取材日時点(2023年7月)のものです。