(移転のお知らせ)
WATO様は2023年3月に神奈川県三浦郡葉山町に移転されました。
以下は2022年10月取材時の内容となります。
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(移転のお知らせ)
WATO様は2023年3月に神奈川県三浦郡葉山町に移転されました。
以下は2022年10月取材時の内容となります。
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鎌倉市大町四ツ角交差点から材木座の海岸へ向かう途中にあるWATOの工房。「トントントントン」という金属を打つ音が心地よく聞こえてきます。この工房を営むのは小笠原加純さんと斉藤里司さんご夫婦。
お二人とも子供の頃からモノ作りに興味を持ち、学び、そして仕事として製品などの工業デザインやグラフィックデザインなど所謂「デザイン」業に従事。その土台を活かし、真鍮、銅、アルミや銀などの非鉄金属の加工による製品づくりをされています。
日本を代表する工業製品、エンジニアリングの町、静岡県浜松市出身の小笠原さん。大学時代にデザインを学ぶ一環で受講した「鍛金(たんきん)」の授業で、仕上げた作品を見た先生から「筋が良い」と才能を見出されたことをきっかけに、金属を打ち造形する鍛金の魅力に目覚めてゆきます。その後、さらに北欧フィンランドへの留学、そして富山大学高岡短期大学部専攻科で鍛金を専攻し、デザインと鍛金を学んだそうです。
卒業後は企業にてデザイン関連の仕事に従事する傍ら、鍛金の制作を継続。「30歳で独立することを決めていた」という言葉通り、2014年8月に鎌倉市大町にWATOを開業します。
「WATOには、人や素材、物などいろんな「輪と」輪をつなげるという意味や、「和」という「日本」的なモノづくりを志向するという意味合いがあります」。ガラスや木工など非鉄金属以外のマテリアルを用いた作り手たちとともに制作し発信してゆきたいという願いもあるそうです。
工業製品のプロダクトデザイナーとしてさまざまなジャンルの商業製品づくりで活躍していた斉藤さん。2016年からWATOとして小笠原さんと活動を共にするように。WATOの製品デザインをはじめ、お客さまから寄せられる要望に応えるべく「金属は(素材として)高価で(加工に火を使うから)怖いという印象があった」と言いながら、作り手の一人として金属と向き合うことに。
プロダクトデザイナーとしてのキャリアで培った経験を活かし小笠原さんの制作をサポートしながらも「作家性の高い工芸的な作品」と、ある程度のロット数にも応えられるような「工業的な商品」の間合いにあるWATOらしいモノづくりを具現化させています。
「最近は海外からのご注文も増えています。台湾、香港、シンガポールなどのアジア圏。欧州をはじめニューヨークなどの北米からも。国内でも飲食店さまからのシェードランプやカトラリー入れ、おしぼりトレイなどのご要望をいただきます。都内のレストランなどの飲食店をはじめ鎌倉など近隣のお店様でも使ってくださっています」。
「新型コロナウイルスによる影響もあり、買い手と作り手の距離もぐっと縮まって、世界中の人々からインターネットを通じダイレクトに要望が届くようなりました」。固い金属を熱し鈍(なま)して加工するように、それらの要望にも柔軟に粘り強く応え続けるWATOの姿勢。「それらの過程の中で、将来自分たちが本当に作りたいモノが出てくるような気がします」。
小笠原さん、斉藤さんのお二人の根底にあるデザイナー視点を取り入れたWATOの各種キッチンウエアやシェードランプなどの作品群。日々の生活を彩る金属の美しい輝きと実用性を求め、すでに世界中からオーダーが舞い込むWATO。更なる進化が楽しみです!
鎌倉市でWATOの作品を使っているお店様
・GOKOTI YUIGAHAMA(鎌倉市由比ガ浜)※販売
・THE TONKATSU CLUB (鎌倉市大町)
・Cazama(鎌倉市大町)
・食堂ぺいす(鎌倉市大町)
・鎌倉青山(鎌倉市御成町)
・AWESOMES(鎌倉市小町)
・ホテルメトロポリタン鎌倉(鎌倉市小町)
・鎌倉倶楽部 茶寮小町(鎌倉市小町)
・KIBIYAベーカリー 3店舗(鎌倉市小町/御成/梶原)
取材 ALOHAS
※掲載情報は取材日時点(2022年10月)のものです。