鎌倉駅西口から細い路地を進むと、瓦屋根の戸口が見えてきました。ここが、日本伝統の梅文化を新たな形で提供する梅体験専門店【蝶矢】。人気観光地の駅前とは思えない静かな佇まいです。
鎌倉駅西口から細い路地を進むと、瓦屋根の戸口が見えてきました。ここが、日本伝統の梅文化を新たな形で提供する梅体験専門店【蝶矢】。人気観光地の駅前とは思えない静かな佇まいです。
蝶矢では収穫直後のフレッシュな梅を独自の技術で急速冷凍し、一年中いつでも、自分好みの梅酒や梅シロップを少量から作ることができます(要予約)。「梅仕事に興味はあるけれど、作り方や保存方法が分からない」「好きなタイミングで、少量ずつ様々な味を試してみたい」という人にぴったり。若い世代にもチャレンジしやすいと人気を呼んでいます。
創業当時は、ぶどう農家としてワインを作っていた『チョーヤ梅酒株式会社』。「良いワインは良いぶどうから」という経験から、味の決め手となる素材を重要視しています。梅酒製造や梅体験で使用する梅の栽培段階から関わり、産地と連携しながら、品質改良やオーガニック栽培に取り組んできたそうです。梅だけでなく、使用する砂糖類や酒類も無添加のもののみ。期待が高まりますね!
蝶矢には研修を積んだ「梅コンシェルジュ」が常在し、梅体験をサポート。梅や素材の特徴、作り方・保存方法まで丁寧に教えてもらえます。
梅体験で常時用意されているのは、梅が5種類(完熟南高・有機南高・白加賀・NK14・パープルクイーン)、砂糖が5種類(氷砂糖・はちみつ・こんぺい糖・てんさい糖・有機アガベシロップ)、酒が4種類(ウォッカ・ブランデー・ジン・ホワイトラム)。さらに、期間限定の梅も数量限定で登場します。この組み合わせでできる梅酒のレシピは、なんと100以上!
「例えば、さくらんぼ、桃、桜餅のような香りなど、梅の個性の豊かさや味わいの違いに参加者の方々が驚いてくれるのが嬉しいですね」と微笑むのは、「梅マイスター」の菅健太郎さん。どのレシピも気になってしまい、一度に2種類作る人や、リピーターが多いのも納得です。
菅さんは、素材選びから配合まで、100通りものレシピ開発を担当したご本人。「どのレシピも梅の品種ごとの特徴が活きるように意識しました。蝶矢の準備期間は、ひたすらテイスティングしていましたね、笑。」気軽に美味しく作れる梅体験の裏側には、並大抵ではない情熱と努力がありました。
梅のプロフェッショナルである菅さん、ぜひ飲み頃の目安を教えてください! 「梅シロップは1週間後、梅酒は1カ月後から。好みで熟成させていくと、また一層味わい深くなります。実は、育て方がいちばん重要なんです。特に梅酒は、最初の2週間はよく混ぜることが美味しく育てるコツですよ。」
帰宅後も、熟成させて自分だけの味わいにする楽しみがあるのが嬉しいですね。そして、ぜひ活用したいのが、作った梅酒や梅シロップを店内で預かってくれる嬉しいサービスです(当日営業時間内)。梅体験の後は、鎌倉散策を満喫するのも良いですね。
梅体験のご予約は「蝶矢」鎌倉店の公式WEBサイトにて受け付けています。人気の体験なので、早めの予約がおすすめです!
要予約の梅体験の他に、店内入口にはテイクアウトコーナーがあり、完熟南高の梅シロップを使ったオリジナルドリンクを楽しめます。取材時には、期間限定の梅ライムミントソーダが登場。喉ごしがとても爽やかで、途中から大きな梅をクラッシュさせて飲むスタイルも新感覚でした。
また、テイクアウト用の「蝶矢梅キット」も販売していて(予約不要・持ち歩き2時間以内)、自宅でも好きなレシピの梅体験を楽しむことができますよ。そして、1日5本のみ店舗限定販売の希少な梅酒、「蝶矢 限定熟成」も見逃せません。「蝶矢梅キット」と「蝶矢 限定熟成」は、特別な贈り物としても人気なのだとか。梅体験の他、鎌倉でのお土産・贈り物選びにも活用してみてはいかがでしょうか。
※掲載情報は2022年5月末のものであり、変更になることがあります。
取材・文 二木薫
写真 立原継望