OXYMORON komachi

#鎌倉カレー合戦②

個性派ぞろい! 鎌倉のカレー3選

「鎌倉は余白を楽しむ場所」と【極楽カリー】のご主人はいいます。スパイスの調合のように、無限にある組み合わせの中から、何かを選び何かを選ばないことによって生まれる唯一無二の味。もしかすると、カレーは "余白の楽しみ方" を一番よく表している料理なのかも知れません。ということで、今回は鎌倉の個性的なカレー店の中から、お気に入りを見つける旅に出かけてみたいと思います!

【極楽カリー】無心でつくる! スパイスの染み込んだホロホロの「チキンカレー」

鎌倉駅の東口を出て歩いて5分ほど、海街らしい落ち着きある暮らしの雰囲気がある大町エリアに【極楽カリー】はあります。店内には店主が描いた仏画が壁のあちこちに掲げられ、カウンターにはインドやスパイス、アーユルヴェーダに関する書籍がびっちりと並び、何やらただものではない雰囲気。そしてメニューは「チキンカレー」1種!

「これしかできないので」という店主の竹迫順平さんのカレーは、パキスタンのパンジャブ地方がルーツのもの。水を一切使わず、スパイスと塩、野菜、鶏肉を3日ほど煮込んでつくられるカレーは、ホロホロにほぐれた鶏肉と野菜の甘み、スパイスの深みが融合し、このお店でしか食べられない唯一の味です。

▲観光客で賑わう鎌倉駅の中心部から少し離れて、落ち着きのある大町エリアにお店があります

▲メニューはこちらの「チキンカレー」のみ! 煮込まれホロホロになったチキンがライスに絡み、驚くほどスルスルと食べられる美味しさが癖になる。セットでつくサラダとチャイも嬉しい

▲「余計な調整をしない、あるがままのカレーなので日々味が少しずつ変化しています」と店長の竹迫さん

▲店内を見渡せば、仏画の掛け軸など興味をひくものがあちこちに。食事を待っている間も飽きることなく過ごせます

▲カウンターには大瓶のスパイスとたくさんの書籍が並ぶ

【キャラウェイ】小町の良心がつまった忘れられない「ビーフカレー」

鎌倉・小町の人気カレー店といえば、【キャラウェイ】は絶対に外せません。ランチ時ともなるといつも行列の絶えない名店は、1977年の創業から45年間、「おいしく、たっぷり、安価に」をモットーにゆるぐことなく営業を続けています。

「観光地だからと値段を上げることはありません。今は子どもの世代が継いでくれていますが、このスタイルのまま続けていきます」とは創業者の丹間美智子さん。どこか懐かしい姿は家庭的でもありながら、野菜とお肉を長時間煮込んだカレーはプロの味そのもの。通常で頼むとご飯の量が550g(=お茶碗3杯分以上)と良心が「たっぷり」なので、初めての方は小ライスで注文することをおすすめします!

▲個人店が少なくなってきた小町通り周辺で貴重な存在の【キャラウェイ】。アットホームな雰囲気を味わうことができます

▲一番人気の「ビーフカレー」はトロトロに煮込まれたお肉がカレーソースと一体化。たっぷりのカレーをたっぷりのご飯と一緒にいただきます!

▲店内はレトロな喫茶店のような雰囲気でかわいい。 地元民から観光客、修学旅行生まで客層は千差万別、女性のおひとりさまもよく見かけます

▲休日のランチタイムはいつも長蛇の列が! 夕方以降の時間帯が狙い目です

【OXYMORON komachi】和のテイストがやさしくとけ込む「和風キーマカリー」

鎌倉駅から小町通りを進み、3つ目の十字路を過ぎた左手の商業施設「こもれび禄岸」の2階に小町通りのもう一つの名店【OXYMORON komachi(オクシモロン コマチ)】はあります。

「yumiko iihoshi porcelain(ユミコ イイホシ ポーセリン)」とのコラボレーションで作られた器で提供されるのは、根菜とひき肉を炒め、スパイスのほかに味噌や醤油も使ったやさしい味わいが特徴のキーマカリー。落ち着いた雰囲気の店内でいただくカレーに多くのファンがいます。

▲ランチどきは混み合うので時間に余裕をもって訪れましょう

▲温泉卵を崩しながらいただくマイルドな味わいのキーマカリー。ゆず酢を使ったおつけものとくるみのお菓子が付いてきます

▲木の温もりが感じられるナチュラルな店内

▲食器をはじめエプロンやコックコートなどオリジナルの雑貨も扱っています。お土産にもいいですね!

取材・文 土屋智弘
写真   高橋創平

※掲載情報は2022年2月末現在のものであり、変更になることがあります。