建長寺は巨福山建長興国禅寺といい、禅宗の寺格を示す鎌倉五山第1位の名刹。加えて、臨宗建長寺派の大本山でもある今から約760年前の1253年に鎌倉幕府5代執権北条時頼が建立した、日本で最初の禅の専門寺院。
初代住職の蘭渓道隆は、中国の高僧無明慧性に学び、33歳で来日。九州、京都を経た後、鎌倉に入り時頼に請われて建長寺の住職となった。宋の五山である万寿寺を手本に、また谷のある地形を生かして、総門、三門、仏殿、法堂が一直線に並んだ中国式の伽藍配置が特徴。ただ、14・15世紀に起こった数度の火災によりその多くが焼失し、現在のほとんどは江戸時代に再建されたもの。境内は国の史跡に指定されている。日本最初の本格的な禅宗道場であり、現在も多くの僧侶が厳しい修行を続けている場でもある。