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長谷駅

TEMPLE cafe & bakery
テンプル カフェアンドベーカリー

エスプレッソと手作りドーナッツで満ちる心地よさ。歴史ある長谷に溶け込む普段使いカフェ

鎌倉時代以前の創建という甘縄神明宮や御霊神社があり、国宝の鎌倉大仏が鎮座する高徳院をはじめ、長谷寺や光則寺など名刹が点在する長谷。海に向かって開かれた谷戸の地形から明治初期には別荘地としても人気で、今も所々にその面影を感じることができる町。

そんな歴史ある長谷の町の中心である「長谷観音前」交差点からほど近い場所に、2024年5月15日にオープンしたのが「TEMPLE cafe & bakery」です。ピンク色の外壁にナチュラルな木戸の組み合わせ、POPで洗練された外観が目を引きます。

▲古い日本家屋を改装した建物の1階。少しくすんだ柔らかいピンク色は落ち着いた長谷の町の景観にも馴染んでいます

木の引き戸から店内に入ります。店内は、こぢんまりとしたスペースながらも、ゆとりのある配置でテーブル席が並び、お店の世界観が初見で伝わってきます。右側にカウンターがあり、先にオーダーを入れるスタイルです。

▲お店を営むのはイクミさん、ユウコさんご夫婦。歩きはじめたばかりのお子さんも一緒にお店に立つ日も多いそうで、乳児やキッズ連れも大歓迎とのこと

▲カウンターに並ぶのは、ユウコさん手作りのドーナッツや焼き菓子など。全て店内製造で出来立てが並びます

ショーケースに並ぶのは、国産小麦を使い一次、二次発酵を経て成型し、丁寧に油で揚げて作るドーナッツをはじめ、ケーキやブラウニーなど。お菓子は、全てプラントベース(卵や乳製品を使わない製法)です。

季節ごとにドーナッツや焼き菓子の種類は変わりますが、毎日5種類程度のドーナッツと2-3種の焼き菓子が並びます。イートインだけでなく持ち帰りもできるそうです。

▲イクミさんは原宿のカフェでも長くお仕事をされてきたそうで、手際の良さが伝わってきます。オーダーをうけてから豆を挽き、エスプレッソマシンで抽出します

使用するコーヒー豆は、いわゆる深煎りとは異なる、エスプレッソマシン向けの焙煎具合とのこと。「ブレンド豆で飲みやすくて、飽きがこないところが好みです。日常に溶け込むような味なんです。(エスプレッソの)本場のイタリアから来たお客さまにも好評でした」と、イクミさん。

▲一般的なイーストドーナッツで使うバター、牛乳、卵黄を使わないプラントベースのドーナッツ

ドーナッツの中で一番人気なのは「シュガーソイクリーム(左)」。もっちり食感の生地の中にはホイップのような軽い食感の豆乳クリームがたっぷり!「ストロベリーグレーズ(右)」は、イチゴの酸味を感じるグレーズにフリーズドライの果肉がトッピングされています。食べ応えのあるポーションながら、プラントベースなので背徳感なくいただくことができます。

ユウコさんも、イクミさんと同じカフェで長く勤めていたそうで、当時からお菓子作りを担当されていたとのこと。その後、愛犬との暮らしやすさや将来のことを考えてお二人で湘南エリアへ移住。お子さんが生まれたことをきっかけに、身体への負担が少ないプラントベースやグルテンフリーのお菓子作りを学び、TEMPLEのお菓子として提供することにしたそうです。

▲グルテンフリーの焼き菓子も人気。人参の果肉とラムレーズンも入った「キャロットケーキ」は米粉生地で、ほんのりスパイシー。上面にはシナモンのアイシングがたっぷり!

バターなどの乳製品や卵を使わないプラントベースながらドーナッツもケーキもアメリカンなお菓子のような力強さがあり、サイズも大きめ。「お菓子とコーヒーで満足してもらえたら嬉しいです」と、ユウコさん。

お子さんたちの「ピンクのお店のドーナッツ、また食べたい!」とリクエストを受けて来店する近隣のパパさんやママさんも多いそう。世代を問わず支持される間口の広いお菓子に、お店の姿勢が現れているようです。

▲ドリンク類もテイクアウトできます。抹茶ラテは甘さ控えめで飲みやすく、外国人のお客様にも好評とのこと

お菓子以外にも、今後はサンドイッチなどのフードメニューも充実する予定があるそう。「一緒に働いていた原宿のカフェは、ギャラリーや他の飲食店も併設したユニークな空間で、少ないスタッフでいろんな経験をさせてもらいました(笑)。その頃から、イクミさんは調理もしてたので、料理もめちゃくちゃ上手なんです」と、ユウコさん。

▲マットな質感のグレーの床に、くすんだ色合いのソファーが並ぶ居心地のよい空間。季節が良くなると引き戸は開け放たれ、オープンカフェになるそう

お二人はファッションやカルチャーの発信地である裏原のカフェで一緒に働いた後、イクミさんはアパレルのお仕事に従事。10代の頃から原宿のショップに足繁く通うほどのファッションに夢中だったイクミさんは、飲食業とは異なるアパレルの仕事にも通じてゆきます。

そのようなアパレルでの経験も経て、裏原時代からお二人で漠然と抱いていた「自分たちのお店を開く」ということが、時を経て鎌倉の地で実現したそうです。気負いのない自然体のお二人だからこそ、ご縁が繋がったのかもしれませんね。

▲オリジナルのレザーコースターで提供されるアイスアメリカーノ。店頭の「エバーフレッシュ」の柔らかい緑の葉が風に揺れ、日射しを遮ってくれます

「TEMPLEという店名は、有名なお寺が近くに多いので、名付けました。特に他意はないんです」と、さらりと話すイクミさん。この肩の力の抜け具合が、お店の居心地の良さに繋がっているようです。インバウンドのお客さまも多く来店されるそうですが、「近隣や地元のお客さまが多くて嬉しいです。」通い始める人が多いのも頷ける、居心地のよい雰囲気が漂っています。

長谷のお寺や神社巡りの合間に、甘いお菓子との相性もぴったりのコーヒーをいただきながら、しばし休息の時間を過ごしましょう。店内では、オリジナルTシャツなどグッズの販売もされています。

※掲載情報は2024年9月取材時点のものです。

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概要

※掲載している情報が変更になっている可能性がございますので、公式サイト等で最新の情報をご確認ください。

店舗名
TEMPLE cafe & bakery
テンプル カフェアンドベーカリー
住所
〒248-0016 鎌倉市長谷1-14-18
アクセス
江ノ電「長谷駅」から徒歩4分
営業/拝観時間
10:00-17:00
定休日
木曜
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