
▲江ノ島駅を出発して次の腰越駅へ向かう江ノ電。この区間は路面電車のように江ノ電と車が並走する「併用軌道」になっており、電車の中から腰越商店街の風情を味わうことができます
▲江ノ島駅を出発して次の腰越駅へ向かう江ノ電。この区間は路面電車のように江ノ電と車が並走する「併用軌道」になっており、電車の中から腰越商店街の風情を味わうことができます
▲茶色いテナントビルの1階、生花店の横を入った奥にビストロ料理【Fou】があります
▲ダークグリーンの壁とドア、観葉植物が素敵な店の入口。窓ガラスに描かれたハーブとフォーク、サーフボードのイラストがいかにも海の町、腰越のビストロのイメージです
江ノ島駅から龍口寺の方向に歩いて4分ほど。江ノ電が目の前を走るテナントビル1階奥に店を構えるのが2025年3月に開店したビストロ料理【Fou(フー)】です。フレンチをベースにしながら、イタリアン、スパニッシュ、そして和のテイストも感じさせるクリエイティブな料理が揃い、ランチからディナーまでカジュアルな雰囲気で食事が楽しめるとあって、早くも地元民が通う人気店となっています。
▲店に入ると右側にオープンキッチンとカウンターがあり、シェフが腕を振るう様子が見えます。ランチタイムはビュッフェのデリやスープが並ぶスペースとなり、ディナータイムにはカウンター席となります
▲柔らかなダウンライトの光で、落ち着いた雰囲気の店内。カウンターには季節ごとの花が飾られ、シンプルな内装に彩りを添えています
▲ランチタイムの「週替わりコース」は前菜、メイン料理、デザート、食後の飲み物という構成。この日の前菜は「とうもろこしの岩石揚げ とうもろこしのヴルーテ」、メインは「三元豚のバルサミコソース」でした
前菜は旬のとうもろこしの味わいをいかした冷製ポタージュスープで、「ヴルーテ」(フランス語で「ビロードのような」の意味)という料理名の通り、濃厚でしっとり滑らかな食感。とうもろこしを団子状にまるめて素揚げした「岩石揚げ」がトッピングされています。スープのコクと甘み、岩石揚げの香ばしさと塩味のハーモニーが素晴らしく、前菜とは思えぬしっかりした一皿でした。
メインの「三元豚のバルサミコソース」は、厚めにスライスされた三元豚のロース肉をソテーしたもので、酸味と甘みのあるバルサミコソースが肉の旨味を引き立てた一品。前菜のフレンチな味わいから一転し、メインの肉料理でイタリアンなバルサミコ酢の味付けを楽しむことができるのも、ビストロならではの醍醐味と言えそうです。付け合わせにズッキーニ、ヤングコーン、パプリカのソテーが添えられています。
▲コースのデザートは和皿に盛られたレモンタルトで、レモン風味のカスタードクリームとサクサクしたビスケットの爽やかな一品。コーヒーなどの飲み物も付きます
▲週替わりコースと並んでランチで人気の「ビュッフェ&メインディッシュ」
ランチ限定メニューの「ビュッフェ&メインディッシュ」はカウンターに並んだ4種類のデリ、サラダ、パンデビス(スパイス入りパン)とスープを自分でサーブするビュッフェスタイルで、これにメイン料理(月替わり3種類の中からセレクト)がセットになっています。例えば、6月のメインはカツレツ、とうもろこしのリゾット、チキンソテー。この日のデリは人参のラペや夏野菜のマリネなど。ボリュームのあるメイン料理に定番デリとスープ。いろいろな素材と味付けを一度に味わえる、贅沢なランチタイムになりそうです。
他にビュッフェのデリ、スープに加え、牛すじを使った欧風カレーとライス、バゲットがセットになった「FOUカレー&ビュッフェ」も注文が多い定番メニューです。
▲フレッシュピーマンの中にクリームチーズ、蟹肉、ミックスナッツをフィリングした「蟹ピー」は新鮮なピーマンの爽やかな苦みとチーズのコク、蟹の旨味、ナッツの香ばしさが一体となった癖になる一品。ワインにもよく合います
ディナータイムは価格別に3種類のコースがある「季節のシェフの気まぐれお任せコース」のほか、アラカルトで季節の魚介、野菜を使った一品料理などがラインアップされています。
▲店名の「Fou」とは「クレージー、普通じゃない」という意味のフランス語で、フランス料理をベースにしながら、様々な食材や料理法に挑戦していきたい、という想いから名付けられたそうです
▲オーナーシェフの菅原さん
オーナーシェフの菅原さんは、東京の調理師学校でフランス、イタリア料理を学んだあと、フランスに1年間留学します。帰国後、予約の取れない店として有名だった東京・池尻大橋の「レストランオギノ」に就職し、荻野シェフのもとで3年間修業を重ねました。その丁寧な仕事と腕前が認められ、2014年に新店舗「ターブル・オギノ湘南T-SITE店」のシェフに抜擢されました。
7年にわたり同店でシェフを務めた後に、2022年2月に片瀬江ノ島駅から至近となる境川沿いの場所に、オーナーシェフとして「Bistronomie Fou(ビストロノミー フー)」をオープン。ビオワインと美味しいビストロ料理をカジュアルにいただけるお店ということで、たちまち評判となりました。
そして、2025年3月、場所を龍口寺近くに移し、店名もよりシンプルに「Fou」としてリニューアルオープン。旧店舗からお馴染みのお客さまも、さっそく訪れているそうです。
菅原シェフの料理はフレンチをベースとしつつ、旬の食材をいかすための調理法を考えることから始まります。食材を提供してくれる地域や人とのつながりを大切にし、生産者の想いを聞くことがインスピレーションの素になるそうです。
例えば、サーファー仲間でもある片瀬海岸の網元さんから雑魚(未利用魚)を仕入れて、濃厚な魚介のスープ「スープ・ド・ポワソン」をつくったり、湘南しらすの美味しさを最大限にいかす「しらすピザ」のレシピを開発したり。湘南だけでなく、高知や宮崎、盛岡など旅先で出会った日本各地の生産者や日本酒・焼酎の酒蔵とも交流し、オリジナリティある季節の料理をつくり続けています。
旬の食材から発想し、イタリアンやスペイン料理、和食まで取り込んだビストロ料理に取り組んでいるFou。普段使いできるカジュアルなお店ですので、江の島観光の目的地に加えてみてはいかがでしょうか?
取材 ALOHAS
※掲載情報は2025年7月取材時点のものです。
※掲載している情報が変更になっている可能性がございますので、公式サイト等で最新の情報をご確認ください。